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この記事では、企業の財産所得のうち受取利子について国際比較した結果をご紹介します。
1. 日本企業の受取利子
日本企業はバブル崩壊後、付加価値が増えない中、利子負担が減った事もあり利益が拡大してきました。
支払利子が減ったのは金利の低下も大きいようです。
企業は借入に対して利子を支払いますが、貸出に対して利子を受け取る事もあります。
今回は企業の受取利子について国際比較してみたいと思います。

図1 財産所得 日本 非金融法人企業
国民経済計算より
図1は日本の企業の財産所得を項目別にグラフ化したものです。
プラス側が受取、マイナス側が支払となります。
近年では利子の受払いはかなり存在感が薄れ、その代わりに配当金などの企業の分配所得や直接投資の再投資収益が拡大しています。

図2 財産所得 利子 非金融法人企業
国民経済計算より
日本企業の利子のみに着目すると、バブル崩壊までは支払利子が大きく拡大し、受取も若干拡大していた様子がわかります。
バブル崩壊後は支払も受取も縮小していきますが、近年ではどちらかと言えば受取利子の方が多いようです。
2. 1人あたりの推移
ここからは、企業の受取利子について、国際比較を見ていきましょう。
まずは人口1人あたりの推移から眺めてみます。

図3 財産所得 利子 受取 非金融法人企業 1人あたり
OECD Data Explrorerより
図3が企業の受取利子について、人口1人あたりのドル換算値について表現したグラフです。
日本(青)はバブル期に大きく拡大し、その後は急激に収縮している様子が確認できます。ただし、当時でもフランスなどと比べてもそこまで極端に大きな水準ではなかったようです。
近年では韓国やイギリスと同程度で、イタリアをやや上回る程度のようです。
3. 1人あたりの国際比較
続いて、もう少し広い範囲で最新値の国際比較をしてみましょう。

図4 財産所得 利子 受取 非金融法人企業 1人あたり 2023年
OECD Data Exolorerより
図4が企業の受取利子について、人口1人あたりのドル換算値をOECD各国で比較したグラフです。
日本は329ドルで、OECD29か国中34か国中27位、G7では6位の水準となります。
企業の受け取る利子は先進国の中では、金額的にかなり少ない方となるようです。
4. 対GDP比の推移
続いて、もう1つの比較方法となる対GDP比も見ていきましょう。
各国の経済規模を表すGDPとの比率にすることで、相対的な規模の比較となります。

図5 財産所得 利子 受取 非金融法人企業 対GDP比
OECD Data Explorerより
図5が企業の受け取る利子の対GDP比の推移です。
日本は1990年頃までは相対的に高い水準でしたが、バブル崩壊後に宮廷kし、主要先進国の中で最も低い水準となっています。
ただし、フランス以外の他の主要先進国もどちらかと言えば低下傾向となっていて、2010年代は概ね1%前後でまとまっています。
近年はどちらかと言えば、フランスの高さが際立っていますね。
5. 対GDP比の国際比較
最後に対GDP比の国際比較です。

図6 財産所得 利子 受取 非金融法人企業 対GDP比 2023年
OECD Data Explorerより
図6が企業の受け取る利子 対GDP比について、最新2023年の国際比較です。
日本は1.0%でOECD34か国中30位とやはりかなり低い水準となっています。
貸出の残高にも影響されると思いますが、どちらかと言えば金利が低い事で受取利子が少ない事が表れているようです。
フランスは先進国の中でもルクセンブルクに次いで非常に高い水準である事が確認できます。
日本とフランスは似ている部分も多いのですが、このように対照的な傾向のある項目もあり興味深いですね。
6. 企業の受取利子の特徴
この記事では、企業の財産所得のうち受取利子について国際比較をご紹介しました。
日本はバブル崩壊後の金利低下もあり、企業の受け取る利子所得はかなり少ない事になりそうです。
今後日本では金利も上がっていくと見られているようですが、利子の受払いについてもどのように変化していくのか、注目していきたいポイントですね。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2026年5月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。







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