東大発シンクタンクROLESで安全保障専門家の大量離脱が発生?

東京大学の先端科学技術研究センター内に設立された創発戦略研究オープンラボ、ROLESをめぐり、研究者らの大量離脱が報じられた。安全保障・外交戦略を扱う大学発シンクタンクで何が起きたのか。約8億円の補助金事業であったこともあり、研究組織の運営、公的資金の使い方、ガバナンスのあり方が問われている。

【参照リンク】東大安全保障ラボで“内戦”が勃発した《女性研究者が「涙の訴え」、小泉悠も仲裁できず…》 文春オンライン

  • ROLESは2020年、東京大学先端科学技術研究センター内に設立された大学内シンクタンクである。
  • 代表は池内恵東大教授が務め、安全保障、外交戦略、中東研究などを主な研究対象としてきた。
  • 小泉悠准教授が副代表を務め、東野篤子筑波大教授ら外部研究者も参画していた。
  • 2023年以降、外務省の外交・安全保障調査研究事業費補助金として、約8億円を獲得したとされる。
  • ROLESは自民党や国家安全保障局への提言活動も行い、政策形成に近い領域で存在感を示してきた。
  • 週刊文春の報道によると、補助金で雇用された研究員21人のうち15人が離脱したという。
  • 2026年4月には、小泉氏が副代表を辞任し、東野氏ら外部研究者も座長を外されるなど、組織内の異変が表面化しているという。

  • 一部研究者は池内氏の対応によって体調を崩し、涙を浮かべて訴えるケースもあったと報じられている。
  • これに対し、池内氏は取材に対し、補助金終了により予算が5分の1になったため人員調整を行ったと説明している。また、大学当局からハラスメントに関する連絡はなかったと述べている。
  • 複数のメディアも文春記事を転載・配信し、問題は広く知られることになった。
  • 報道では、補助金事業の透明性や、安全保障研究における組織運営のあり方を問う論調が目立つ。
  • 一方で、ROLESの公式サイトでは活動情報が維持されており、現時点で公式コメントは確認されていない。
  • 批判的な意見としては、「8億円の公金を使った事業で大量離脱が起きるのは異常だ」「安全保障研究の人材流出は深刻だ」といった声が相次いだ。
  • 池内氏のXでの対応が関係者を疲弊させたとの証言も拡散された。
  • 「予算縮小はどのプロジェクトでもありうる」「ROLESが日本の安全保障研究を活性化した功績は大きい。一面的に批判すべきではない」といった声だ。一方で、文春報道の信憑性を慎重に見るべきだという意見も見られる。
  • 安全保障研究は政策形成に近い分野であり、研究者の独立性、組織内の透明性、外部への説明責任が特に重要になる。
  • ROLESはこれまで、国内外の研究連携や政策提言で一定の成果を上げてきた。しかし、大量離脱の背景には、単なる予算縮小だけでは説明しきれない運営上の課題があった可能性もしてきされている。

  • 今後、東京大学や外務省による検証が進む可能性もある。少なくとも、公的資金を活用する研究組織として、透明性とガバナンスの向上が求められる。

ROLESをめぐる大量離脱問題は、単なる研究者同士の対立ではなく、大学発シンクタンクの制度設計そのものを問う問題である。安全保障研究は政策と近い距離にあるだけに、研究の自由と組織運営の透明性を両立させる必要がある。約8億円の補助金事業で起きた今回の混乱は、公的資金による研究プロジェクトに、より厳格な説明責任とガバナンスが必要であることを示している。

創発戦略研究オープンラボ(ROLES)HPより

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