
スペイン・サンチェス首相インスタグラムより
郵便投票による効果の兆し
今年5月30日に実施されたアンダルシア州の州議会選挙は、国民党が前回同様に勝利した。それに対し、社会労働党は州議会選挙で歴代最悪の結果となった。
ところが、外国から送られた郵便投票の結果は逆で、社会労働党が6,703票、国民党が6,307票という結果となり、社会労働党の票が396票上回ったのである。(6月3日付「OKディアリオ」から引用)
まさにサンチェス首相の延命工作が功を奏する前兆を示したことになった。
国籍付与の優先相手国はアルゼンチン
国籍を付与できるスペイン移民の孫たちの数は、世界でおよそ240万人と推測されている。彼らの多くが国籍を取得して社会労働党に票を入れるように、説得工作が進められている。そのために、政府は51,457ユーロを電話サービスに充てる費用として割り当てた。
外国でこの件に関心のある移民の孫たちに、電話で相談に応じる構えだ。さらに2,000名以上を外国の大使館と領事館に特別に派遣した。現地で移民の孫たちの相談に応じるためだ。
特に、優先相手国としているのがアルゼンチンだ。ブエノスアイレスには645,052人の対象者がいる。彼らにスペイン国籍を早急に付与して、来年後半に予定されている総選挙で社会労働党に票を入れてもらう作戦だ。この票田はスペインの都市マラガやムルシアに匹敵する規模になる。
これがうまく展開できれば、社会労働党が政権を維持できる可能性は十分にある。
大使館または領事館で身分証明書をデジタル発行する
これまで外国人がスペイン国籍を取得するには、国家警察がそれを担当していた。そのためにもスペイン領土を踏む必要があった。それをサンチェス政権は、議会の承認を得ず特例で変更した。大使館と領事館で電子的に国籍を付与できるようにしたのである。そのために、申請者の前科などを調べる必要もない。単に、スペイン人移民の孫であるという証明だけで十分なのである。
これはスペイン国家の安全には危険であるが、サンチェス首相にとって国家の安全は二の次だ。自らが首相であり続けることができることが重要なのだ。
これに対して、野党の動きに目立つものはない。何しろ、国民党の党首フェイホー氏は官僚政治家でカリスマに欠ける人物で、何もしなくても次期総選挙では極右政党VOXの支持を得れば首相になれると勝手に思っている人物だ。あるいは、バスクとカタルーニャの独立政党を味方につければ、VOXの支持がなくても首相になれるとも考えている人物だ。これでは、サンチェス首相の危険な目論見を阻止することは不可能だ。
サンチェス首相のような危険人物のプランを阻止するには、官僚的な野党リーダーではとてもではないが太刀打ちできない。







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