揺れる松井健氏が高市首相陣営のAI中傷動画疑惑について証言

昨年10月の自民党総裁選をめぐり、高市早苗首相の秘書から相談を受け、小泉進次郎防衛相や林芳正総務相を批評する生成AI動画を作成・拡散したと、IT会社代表の松井健氏が共同通信の取材に証言した。高市事務所は関与を全面否定しているが、週刊文春に続いて共同通信も実名証言を報じたことで、疑惑は政治問題として広がりつつある。

【参照リンク】総裁選で小泉氏批評動画 首相秘書から相談と作成者 共同通信 

  • 松井氏は、高市首相を総裁選で当選させる目的で、小泉氏を「操り人形」などと批評する動画を生成AIソフトで作成し、Xなどに投稿したと証言した。
  • 松井氏によれば、総裁選期間中に高市首相の秘書とオンライン会議を行い、「小泉氏を逆転するにはどうすればいいか」と相談を受け、「ネガティブな発信」を提案したという。
  • 作成された動画は1000~1500本に上り、約300個のアカウントを使ってXなどで拡散したとされる。総裁選後、投稿に使ったアカウントは削除されたという。
  • 高市事務所は共同通信の取材に対し、「他の候補に関するネガティブな動画を作成、発信したり、第三者に依頼したりしたことは一切ない」と回答した。オンライン会議やサナエトークンの説明も否定し、改めて調査するつもりはないとしている。

  • 週刊文春も同様の疑惑を報じており、松井氏と高市事務所側のやり取り、秘書とのメッセージ、Zoom会議の音声などの存在を伝えている。高市事務所の否定と、松井氏側の証言が正面から食い違っている。
  • 共同通信は、と確認したとし松井氏が秘書とやり取りした携帯電話のメッセージを入手し、電話番号を秘書本人のものている。この点が、今後の大きな焦点になる。
  • 松井氏は、今年2月の衆院選でも、与野党約50人の陣営から対立候補に関する動画作成を頼まれ、うち20人に協力したと証言した。高市陣営だけでなく、野党側にも説明を求める声が出そうだ。

  • 「事実なら組織的なネット工作だ」「首相は第三者調査をすべきだ」という批判が出ている。一方で、「証言だけで断定すべきではない」「報道をうのみにするな」とする高市首相擁護の声もある。
  • ただし、松井氏は発言の信憑性も問われている。

  • 総裁選では、小泉氏側でも他候補を中傷する投稿を陣営内部に要請していたことがすでに判明している。今回の疑惑は、自民党総裁選全体がSNS工作の競争になっていたのではないかという疑念を強めている。
  • 問題は、動画の内容が違法かどうかだけではない。候補者陣営が関与していた場合、有権者に見えない形で世論を誘導したことになり、選挙の透明性が大きく損なわれる。
  • 生成AIを使えば、政治動画を短時間で大量に作成し、多数のアカウントで拡散できる。今回の疑惑は、AI時代の選挙運動に対するルール整備の遅れを浮き彫りにした。

今回の共同通信報道により、高市首相陣営のAI中傷動画疑惑は新たな段階に入った。首相側は全面否定しているが、実名証言やメッセージの存在が報じられている以上、説明責任は免れない。高市首相だけでなく、与野党すべての陣営が、AIとSNSを使った選挙活動の実態を明らかにすべきである。

高市首相 自民党HPより

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