常滑やきもの散歩道を歩く:土管坂・とこにゃん・登り窯

愛知県知多半島を走るドライブ。南知多から北上し、半島東岸の常滑市にやってきました。空港があるので訪れる機会が多くなっていますが、本来ここは焼き物の町。特にまねき猫の生産は全国シェアの8割を占めています。

常滑駅の南側一帯には「やきもの散歩道」と呼ばれるエリアがあります。かつて登り窯が林立して焼き物の生産が行われ、今は焼き物の店舗が多く並ぶ散策エリアとなっています。登り窯を作る関係上、この傾斜のある立地が最適でした。そのため散歩道はこのような坂が多くあります。

窯元や店舗が多く集まるエリアなんですが、こんな山あいのような光景にも出会います。

豚…!? 豚と戯れることができるカフェなんかもありました。

やきもの散歩道の名所のひとつ、土管坂。かつて焼き物に使われていた土管が壁に埋め込まれています。焼き物の盛んな町ではこのように土管が石垣のように埋め込まれている例が多くあります。

こちらはでんでん坂。「廻船問屋 瀧田家」の南側にある坂道です。この坂道のある丘が、「でんでん山」と呼ばれていたことから、「でんでん坂」という名前がつきました。廻船問屋を営む瀧田家では、港に出入りする船の様子を主人に「伝」える山だったためこの名がついたと言われています。土管を焼いた時に使った焼き台「ケサワ」が地面に埋め込まれていて、坂のあちこちで焼き物の町常滑の風情を感じることができます。

さて、やきもの散歩道に来たら絶対外せないのが「見守り猫とこにゃん」。巨大な招き猫、とこにゃんの顔面部が常滑の町を見下ろしています。下は常滑市街を走る大通りが通っており、通りからも見ることができますが、やきもの散歩道からはその姿を間近に見ることができます。

着きました!見守り猫とこにゃん。実はやきもの散歩道から来るとまず裏の姿から見ることになります。裏から見るとちょっとハリボテ感。これはこれで面白いんですが、もう一工夫足りないかな、と思います。

とこにゃんを目の前には歩道橋があるので、こちらからお顔を拝むことができます。

高さ3.8メートル、幅6.3メートル。間近で見ると大迫力ですね。前で猫が座っているのがかわいらしいです。

やきもの散歩道一帯は使われなくなった窯のレンガ煙突が今も街のあちこちに残されています。こうした街並みは窯業が盛んな町独特の光景で、産業の歴史を感じさせてくれます。

町の一角に使われなくなった登り窯がそのまま残されている場所があります。明治20年頃に築かれた窯で、昭和49年まで使用された登り窯は、日本で現存するものとしては最大級のものです。平成19年には近代化産業遺産にも認定されています。裏手に回ることもできるようですので、登ってみることにします。

草生した通路を行くと、10本のレンガ煙突が並んでいました。木々の間から光が差し込んでいて神秘的な光景です。打ち棄てられた古代の宮殿跡のようですね。

窓から中の様子を見ることもできます。80年余りの間、ここで多くの焼き物が生産され、世に出荷されていきました。近代日本の成長の一翼を担い、常滑は今も日本の窯業を牽引し続けています。

やきもの散歩道の一帯には焼き物の店が多く並びます。散歩がてらお気に入りの一品を探すのも楽しいもの。常滑市街にも近く、中部国際空港からも近く立ち寄りもしやすいです。ぜひ一度、やきもの散歩道を歩いてその歴史を肌で感じてみてもらいたいと思います。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年8月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。

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