地表とCO2は赤外線のキャッチボールをしない!

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地球温暖化は、大気中のCO2が地表から放射された赤外線を吸収し、吸収したその赤外線を地表に向かって逆放射し、その逆放射された赤外線を地表が吸収して温まり、地表がふたたび赤外線を放射して、大気中のCO2がその赤外線を吸収するために起こると説明されている。これは地表とCO2の赤外線のキャッチボールに例えられることもある。

太陽は高温の物体(約6000K)である。物体からは赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線など、あらゆる種類の電磁波が放射される。これを黒体放射という。地球の温度は太陽よりも低い(約300K)から、エネルギーの小さい電磁波が放射される。地球からは、波数が0cm-1から約2500cm-1のあらゆる種類の赤外線が放射される。

一方、大気に含まれるCO2は物体ではなく気体の分子である。分子のエネルギーはとびとびの値になっていて、CO2は667cm-1付近のごく限られた波数の赤外線しか吸収しない。その結果、キャッチボールで例えると、地表からはあらゆる種類のボールが投げられるけれども、CO2はごく限られた種類のボールしか受け取ることができない※1)※2)

地表から投げられて、CO2が受け取ることのできなかったボール(赤外線)はどうなるだろうか。多くのボールは宇宙へと飛んでいく。大気の主成分であるN2、O2などの分子はボールを受け取ることができないからである。この場合には、大気のエネルギーは増えないから、地球温暖化を心配する必要はない。

地表から投げられて、CO2が受け取ったボールはどうなるだろうか。CO2は受け取ったボールを投げることもある。地表に向かって投げれば、地表の温度は少し上がる。しかし、CO2は物体ではなく気体の分子だから、ボールを投げるときにはあらゆる方向に投げる。多くのボールは宇宙に飛んでいき、地表が投げたボールに比べて、地表が受け取るボールはほとんどない。

CO2が投げたボールの多くは宇宙へと飛んでいくが、その途中で別のCO2が受け取ることもある。しかし、CO2同士がキャッチボールをしても大気の温度は変わらない。なぜならば、大気の温度はN2、O2などの分子の並進エネルギー(空間を移動する分子の運動エネルギー)を反映し、並進エネルギーが増えなければ、大気の温度は上がらないからである。

CO2は受け取ったボールを投げずに分子の振動エネルギーに変換して、N2、O2などの分子に並進エネルギーとして渡すこともある。この場合には、大気の温度が少し上がる。しかし、N2、O2などの分子の並進エネルギーがCO2に振動エネルギーとして渡されることもある。この場合には、N2、O2などの分子の並進エネルギーが減るので、大気の温度が少し下がる。

冬の寒い日に、部屋の中の大気を温めるためにCO2を撒く人はいない。ほとんどの人はコタツやストーブやエアコンなどの暖房器具を使う。暖房器具を使うと、部屋の中の大気の温度はすぐに上がって暖かくなる。N2、O2などのあらゆる大気分子は、赤外線を吸収しなくても、熱エネルギーによって並進エネルギーが直ちに増えるからである※1)※2)

※1)中田宗隆「分子科学者がやさしく解説する地球温暖化Q&A 181―熱・温度の正体から解き明かす」丸善出版(2024)
※2)中田宗隆「スペクトル解析のための分子物理化学―温室効果ガスは本当に砂上の楼閣か―」東京図書出版(2026)

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