米メタは26日、SNSの未成年利用を巡り、全米の州政府などから起こされていた一連の訴訟について和解したと発表した。全48州などへの和解金は180億ドル(約2兆8600億円)に上る。InstagramやFacebookでは、未成年者の利用時間を原則1日合計2時間までとし、午前0時から6時までの利用を制限するなど、大幅な安全対策を導入する。

マーク・ザッカーバーグCEO メタHPより
訴訟では、SNSの設計が未成年者の過度な利用を促し、心身への悪影響を招いたなどとして、2023年に29州などがメタを提訴。その後、各地で同様の訴訟が相次いだ。メタ側は違法行為そのものは認めていないが、巨額の和解金と利用制限を受け入れ、司法リスクの収束を図る。
SNSの基本設計には踏み込まず
和解案では、18歳未満のFacebookとInstagramの利用を合計1日2時間に制限するほか、深夜利用の禁止、学校時間中の通知停止、保護者による管理機能の強化などが盛り込まれた。
一方、SNSへの依存を高めると批判されてきた無限スクロールや、利用者の関心に合わせて投稿を表示するレコメンド機能そのものへの大幅な規制は回避された。メタとしては一定の制約を受け入れることで、広告収益を支えるサービスの基本設計への本格的な介入を避けたい考えとみられる。
メタだけ規制しても他SNSへ移る
注目されるのは、和解金の約30%について、GoogleやTikTokなど他社が同様の対策を導入することを支払い条件に含めている点だ。
Instagramを2時間に制限しても、その後にTikTokやYouTube Shorts、Xへ移れば、未成年者のSNS利用時間そのものは減らない。未成年者保護を目的とするなら、利用時間や深夜利用、通知、年齢確認などの最低限のルールを業界横断で共通化する必要がある。
日本でも共通ルールが必要
同様の問題は日本にもある。SNS各社は未成年者向けの安全機能を導入しているが、米国のような1日2時間制限や深夜利用禁止といった共通基準はない。
メタだけを厳しく規制しても利用者が別のSNSへ移るだけなら効果は限定的だ。TikTok、YouTube、Xなどを含めた共通ルールの検討が求められる。
詐欺広告対策も課題
さらにメタを巡っては、日本でも著名人になりすました投資詐欺広告や迷惑広告が繰り返し問題になっている。
メタは不正広告の削除やAIによる検知強化を進めているが、利用者から見れば不審な広告が依然として表示されるケースもある。SNSの安全性を掲げる以上、未成年者の利用時間を制限するだけでなく、詐欺広告を広告配信網から排除することも重要な責任だ。
今回の最大2.8兆円規模の和解は、SNS企業がサービス設計や広告を含めた安全性について責任を問われる時代に入ったことを象徴している。







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