コロナ禍が終わって数年。サラリーマンの世界では、「新しい働き方」という言葉が、ずいぶん早く賞味期限を迎えたようです。LINEヤフーは2026年度から、原則として週3日以上のオフィス出社を基本とする働き方に移行しました。
同社は「コミュニケーションの活性化」「チームワークの強化」「イノベーション創出」などを目的に挙げています。つい数年前まで「オフィスに縛られない働き方こそ未来」と盛んに宣伝していましたが、未来は意外と短かったようです。

LINEヤフー(公式サイト)
IT企業まで「会社に来い」
出社回帰はLINEヤフーだけではありません。Amazonは2025年1月から原則週5日のオフィス勤務に戻しました。アンディ・ジャシーCEOは、対面勤務の方が企業文化や協働を強化できるという考えを示しています。日本でもアマゾンやAWSジャパンの週5日出社が報じられました。(aboutamazon.com)
アクセンチュア日本法人も2025年6月から原則週5日出社へ移行しました。リモートワークによってコミュニケーションや若手へのフィードバックが弱くなったことなどが理由とされています。(bunshun.jp)
GAFAもコンサルも出社している。このニュースを聞いて、全国の部長たちは大いに勇気づけられたことでしょう。「ほら見ろ。やっぱり会社に来ないとダメなんだ」。これほど部長を元気にするニュースもありません。
会社まで来てZoom会議
パーソル総合研究所が2026年7月に実施した調査では、テレワーク実施率は21.4%まで低下し、「原則出社」と指示されている人は24.6%に増えています。ところが、現在テレワークをしている人の81.6%は「今後も続けたい」と回答しています。(rc.persol-group.co.jp)
会社は「来い」。社員は「行きたくない」。実に分かりやすい構図です。経営陣によれば、オフィスでは偶発的なコミュニケーションが生まれ、イノベーションが起きるそうです。
社員からすると、往復2時間かけて出社し、隣の席の同僚にチャットを送り、別フロアの社員とはTeamsで話し、午後にはZoom会議です。
「仕事をしている感」の復活
出社回帰で心配なのは、オフィスに戻ることではなく、昭和以来の評価制度まで一緒に戻ってくることです。朝早く来ている人は偉い。夜遅くまでいる人は頑張っている。上司の近くに座っている人は熱心だ。会議に全部出る人は協調性がある。日本企業が長年培ってきた「仕事をしている感」の復活です。
テレワークには、ある意味で残酷なところがありました。社員の姿が見えないため、「何時まで会社にいたか」で評価できません。仕方なく「何をやったか」を見る必要がありました。これは管理職にとって、かなり大変なことです。
その点、出社は便利です。朝8時に来て、夜8時まで座っている社員を見ると、「あいつは頑張っている」と安心できます。
AI時代になり、企業は社員にリスキリングを求めていますが、サラリーマンが本当に学び直すことになるのは「上司にちゃんと仕事をしているように見える技術」なのかもしれません。







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