「若くて時間があるお金持ち」になる方法は1つだけ

黒坂岳央です。

「お金持ちになりたい」そう思う人は多い。最近では「数十年インデックス投資で積立すれば誰でも1億円に届く」といった「誰でも、再現性高く」をうたう意見もある。

だが個人的に「お金持ちになることそのもの」より「何歳でなるか」が一番重要だと思っている。

極論、20代・30代でなるのと70代・80代でなるのとではまったく意味が違ってくる。ただなればいいだけなら、一生節約してインデックス投資をし続ければいつかはなれるが、老人になってからお金持ちになることなど誰も望んでいない。

完全に持論となるが、お金持ちルートを分類することで「若くて時間があるお金持ち」になる方法は1つだけという意見を出したい。

Vasyl Dolmatov/iStock

検証1.コツコツ投資

1つ目の検証はコツコツとインデックス投資をするルートだ。

たとえば年収600万円の会社員が手取りから年120万円を積み立て、年利7%で運用したとする。名目1億円に到達するのは約28年後だ。25歳で始めれば53歳で到達。毎月10万円を30年近く投資し続けるのは簡単ではないが不可能でもない。

だが、これはあくまで名目上の数字だ。インフレを差し引いた実質利回りを5%とすれば到達は約34年後で59歳。ほぼ定年だ。課税口座であれば売却時に約2割が引かれる。円安が進めば、円建て1億円が持つ購買力はさらに目減りする。

現在の1億円は大金だが、インフレと円安が進めば今から30年後の1億円は今ほどの大金でもなくなっているだろう。

このルートは再現性は高く、誰でも出来そうな雰囲気が漂うが2つの問題を抱える。1つ目は時間がかかりすぎて、達成時期がシニアになってしまうこと。そしてもう1つがその頃には同じ金額でも価値が大幅に減価していることだ。

検証2.高収入の専門職

2つ目の検証は高収入の専門職だ。

その代表格といえば医師や弁護士だろう。勤務医の平均年収は1400万円前後とされ、弁護士も上位層は高い。その他、金融マンやITエンジニアなども給与所得としては最上位の部類である。筆者の親族にも30代前半で年収1500万円に達したものが2人いて高収入の専門職は強いと思わされる。

だがこの層が直面する問題は、お金ではなく時間の制約だ。高収入で専門職といえども、給与所得が自分の時間との交換で成立している点が決定的である。

息子のクラスメイトに夫婦揃って勤務医の子がいる。夏休み旅行の話題になった際、その子は「沖縄に2泊3日で旅行へいった」といっていた。偶然、うちも沖縄に行き、その際は2週間くらい長期宿泊したので、息子が「せっかく遠くへいったのだし、もっと泊まってくればよかったのに」と悪気なくいったら、「あのな、医者ってすごく忙しいんだよ」と返されたという。

また、筆者の弟はAIエージェント開発の仕事をするデータサイエンティストの仕事をしているが、非常に忙しく夜中まで働くことは珍しくないようで、かなりの高収入だが、とにかく時間がないという印象である。移動中もビジネスチャットの返信などとても忙しそうに思えた。

そして2つ目の問題は年収1500万円の高収入でも、蓄財は非常に時間がかかるということだ。実際の手取りは3分の2の1,000万円くらいだと月に85万ほど。生活費などを除けば1年で300-400万円。これだと10年でも3000-4000万円だ。もちろん、資産運用はするだろうが、それでも1億円到達には10年では足りないし、その間も非常に忙しい。

検証3.起業

最後が起業ルート、筆者は「若く、時間が自由なお金持ちになるルート」はもうこれしかないと思っている。もちろん、起業と言っても何でもいいわけではない。これを満たすには2つの条件が必須だ。

1つ目は高収入であること。リスクを取っている分、年収は3000万円くらいはほしいところだ。かつ、自宅や車はできるだけ経費計上をして、手残りを増やすことである。

そしてもう1つは時間に縛られすぎないことだ。開業医、店舗運営、小売業となれば、経営者ではあっても労働集約型のビジネスモデルであるため、稼げても自由時間は限られる。つまり「雇われか経営者か」ではなく「自分の時間を切り売りする構造から抜け出せているか」が本質的な分岐点になる。

そうなると中小企業オーナーというのが現実路線だろう。または作業量をコントロールできるクリエイティブ系のフリーランスである。

筆者もその中に属するので分かるのだが、こうした仕事は自分で仕事の取捨選択ができる。もちろん、手を抜いて時間を空けろと言っているわけではなく、リモートワークでタイムラグ前提の仕事なら時間がある時にまとめて作業し、旅行などを楽しむことも現実的になる。なんなら旅行先でも仕事をすればいい。

筆者は毎年、大型旅行へ2回ペースでいっているが、毎回ノートパソコンを持参して、家族が観光地で遊んでいる間にホテルのオフィスルームで仕事をしていることもある。その気になればそれもなくせるが、自分は毎日観光だけだと逆にストレスが溜まるのでやりたいから仕事をしている。この当たりもコントロールが比較的可能だ。

起業して年収3000万円を稼ぎ続ければ、ざっくり手取り額は約1,770万。仕事道具は経費にして生活費を抑えつつ、資産運用をすれば数年で1億円に到達する。1億円を作れば、年利7%なら72の法則で2億円到達は約10年強。3年目で追加投資を止めても複利だけで増え続ける計算になる。後は取り崩しをせず放置すれば3億、4億へと進む。

筆者は地方移住して、売れっ子農家とか養鶏、酪農家で成功して何億も稼いでいる人を直接会って来た。彼らは中卒、高卒が普通で話しても本当に「普通の人」である。欲を出して適当に個別株を買って5000万のマイナスを出してしまう人もいたりして、「天才」には感じない。ただリスクを取って当たったということだ。

他にも太い親からの相続とか、会社を売却して大金を得るとか、宝くじとか、トレーダーになるとかもなくはない。正直に言えば高収入の起業もこれらと再現性の低さで大差はない。

違いがあるとすれば、相続や宝くじは「運」でしかなく本人の意思決定が介在しないのに対し、起業は「参入する・しないを自分で選べる」点だ。再現性は低くても、少なくとも挑戦するかどうかの主導権が自分にある。この記事で起業を推すのはそこであって、「誰でもできる」という話では最初からない。

昨今、「数十年コツコツ投資で誰でも億り人!」みたいにもてはやされているが、お金持ちはいつの時代も上澄みの例外的存在であり続け、誰もが同じ手法でこれを目指すと必ず飽和して再現性はなくなる。数十年後に1億円を手にしても、今とはまったく価値が違う。そしてシニアになってお金持ちになっても使い道がない。

時代が変われば色んな手法が取り沙汰されるが、今も昔も起業して若い内にデカく稼ぐ、が「若くて時間があるお金持ちになる唯一の方法だと思う。


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働き方・キャリア・AI時代の生き方を語る著者・解説者
著書4冊/英語系YouTuber登録者5万人。TBS『THE TIME』など各種メディアで、働き方・キャリア戦略・英語学習・AI時代の社会変化を分かりやすく解説。

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