ケネディセンター閉鎖:トランプの名前を入れろという要求を裁判所が却下

米国を代表する文化施設、ワシントンのジョン・F・ケネディ・センターが閉鎖された。建物の老朽化や安全上の問題が表向きの理由だが、その直前には「ドナルド・トランプ」の名前を建物に刻むことを認めるかどうかをめぐって、トランプ大統領と連邦裁判所が激しく衝突していた。

ケネディセンター(CNN)

「改修したのはトランプ」と建物に刻みたい

問題の発端は、トランプ氏がケネディセンターの理事会を事実上掌握し、自ら理事長に就任したことだった。その後、トランプ氏の名前をセンターに加える動きが進み、一時は建物の正面にも名前が掲げられた。

しかしクリストファー・クーパー連邦地裁判事は5月、名称を変更する権限は議会にあり、理事会が勝手にトランプ氏の名前を追加することはできないと判断。名前は6月に撤去された。控訴裁判所もこの判決を支持した。

それでも理事会は諦めず、8月には正面に”Restored and Renovated by President Donald J. Trump”などと刻む案や、敷地を”President Donald J. Trump Plaza”とする案を打ち出したが、9月15日、裁判所はいずれも認めなかった。

名前が入らないなら改修もしない?

同じ15日、トランプ派が多数を占める理事会は、ケネディセンター本館を直ちに閉鎖することを決定した。翌日には建物の周囲にフェンスが設置され、一般客は立ち入れなくなった。

理事会側は、天井材の落下や漏水、老朽化した設備などを挙げ、「安全上の危険」があるとしている。改修費として議会から約2億5700万ドルも確保されているが、トランプ氏は「控訴裁判所が名称問題について判断するまで改修工事は始められない」と主張した。

彼の名前を認めないなら、いずれセンターは閉鎖され「取り壊されることになる」とまで述べている。要するに「国の文化施設を直してほしければ、私の名前も残せ」という話である。

JFKの記念施設が「トランプ記念館」になるのか

ケネディセンターは、暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領を記念する国家的施設である。そこに現職大統領が自分の名前を入れようとすれば、政治問題になるのは当然だ。

民主党のジョイス・ベイティ下院議員は、今回の閉鎖がこれまでの裁判所命令に違反する可能性があるとして緊急審理を要求。クーパー判事もトランプ政権側に閉鎖計画を説明するよう命じており、法廷闘争はさらに続く見通しだ。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント