私が懸念していた9月の株式市場の弱気のアノマリーは解消しそうな気配が出てきました。
直接的な理由はトランプ氏と習近平氏の会談が和やかに展開され、今までの緊張感から緩和方向に進む公算が高いからです。米中がデタントになればなぜ、株式市場にフォローの風が吹くかと言えば米中間の潜在貿易額は非常に大きいもののそれを人為的に抑制することで経済に足かせをしていたからであります。緩和方向なので即座に貿易額が増えるわけではありませんが、市場は将来に対して期待値を高めるわけです。
トランプ氏の経済に対する基本姿勢はアメリカ中心主義で自国さえ儲かれば他は知らないという発想でした。ですが、仮に中国と緩和的方向で話がまとまればそれはトランプ氏の根本思想がわずかながらも動いたと言えなくはありません。

トランプ大統領 ホワイトハウスHPより
もう1つはいよいよ中間選挙が近づき、下馬評では共和党が苦戦していることで市場に良い話を提供せざるを得ない事情もあるでしょう。例えばビットコインなど暗号資産のルールを明白にするクラリティ法が上院で審議入りできない状況に失望感が出ていたものが証券取引委員会(SEC)が暗号資産の規制緩和で株式のトークン化の検討が始まりました。これでビットコインは一気に騰勢を強めてきました。
原油については正直日々のニュースに右往左往という感じで私は楽観視していません。ただ、どうにかしなくてはいけないという意識がアメリカ、中国をはじめ、中東各国に芽生えてきていることで新展開入りする可能性が少しだけ見えてきています。
ウクライナ問題についても新展開入りがあり得ます。ロシア下院選が行われ、与党が史上最高議席数で圧勝です。その選挙の公正性の議論はさておき、プーチン氏はこれで動きやすくなったのか、11月の中国で開催されるAPECに出席の意向を示しています。そうなればAPECの際に米中ロの参加国首脳会談が実現する可能性もあり、二者ではなく、三者で言質が取りやすい会談が設定されれば動きがあるかもしれません。
株式市場は心理ゲームのようなもので基本は過去や現在をベースに未来を想定してそこに投資をします。7,8月から9月の初めにかけて政治ゲームが休みということもあり、展開せず、投資家をやきもきさせたのですが、秋にかけて国際会議が目白押しで政治が動くことで一定の対処が行なわれるという期待感から将来の雲の間に晴れ間が見える状態にあるのでしょう。
国内では最大の焦点の食品消費税問題の決着がつく臨時国会が一つの節目。現状、減税になると思われますが、もやもや感が晴れることでそれに対する賛否があろうとそれが事実として確定した時点で投資家は次を見るのです。だから「夜明け前が一番暗い」という格言通りがあるわけで、株式の仕込みは夜明け前に行うのがベストであります。
日本もフォローの風の恩恵を受けると思います。日経に時価総額トップ争いでトヨタ、三菱UFJ、ソフトバンクG、キオクシアが今年時価総額のトップを取り、その後も激しい争いをしている中、今後どうなるか、という記事があります。私の意見としては世界の自動車業界に吹く様々な逆風を考えるとトヨタはトップを維持できない、キオクシアもブレがちで半導体の周期は短いのでこれもないとみています。すると三菱UFJとソフトバンクGなのですが、両者とも強いと思います。三菱UFJはえげつないぐらい稼ぐ、そして海外からの収益が非常に強いのが特徴。一方のソフトバンクGは世界株式市場、特にAIが引き続き話題の中心であれば同社の飛躍力は凄まじいと思います。特に北米でアーム社の株価が暴騰していることもあり、今年の秋は三菱UFJとソフトバンクGの一騎打ちになるとみています。
今後を期待したいと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年9月23日の記事より転載させていただきました。






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