日経新聞のニューヨーク・マムダニ市長礼賛記事にツッコミ殺到

ニューヨーク市のゾーラン・マムダニ市長が、小規模事業者向けの規制改革を進めている。日経はこれを「民主社会主義者による規制緩和」として紹介しているが、記事だけ読めば、マムダニ氏がいつの間にか市場経済派に転向したかのような印象すら受ける。

【参照リンク】ニューヨーク急進左派市長、「骨董品」的規制砕く 日本も続こう 日経新聞 

市が打ち出した「OPEN for Small Business」には50項目を超える規制見直しが並ぶ。飲食店のアイスクリーム販売に関する二重許可の整理、ボデガ(小さな食料品店や雑貨店)の店頭販売免許の簡素化、軽微な違反への罰金見直しなどである。

ゾーラン・マムダニ市長

もちろん、不要な規制をなくすこと自体は結構な話だ。

アイスクリーム許可廃止が「大改革」?

だが、アイスクリームを売るための余計な許可を減らしたことを、さも大きな政策転換のように扱うのはいささか大げさではないか。役所が自分で作った細かな規制を少し片付けるのは、改革というより行政の後始末に近い。

日経の記事からは「左派でも規制緩和をやる」という新鮮な物語が浮かび上がるが、マムダニ氏の政策全体を見れば、むしろ政府の役割を拡大する方向性は一貫している。

市営スーパーはなぜ小さく扱うのか

象徴的なのが市営スーパー構想である。市が食料品店を運営し、民間より安い価格で商品を提供する計画だ。

民間スーパーやボデガは赤字なら撤退するしかない。しかし市営店なら、最終的には税金で支えることができる。

片方でボデガの免許を簡素化し、もう片方では行政自身が競合店として参入する。こちらのほうが経済政策としては、はるかに重要な意味を持つ。

ところが「規制緩和する民主社会主義者」という物語には都合が悪いのか、こうした政策は脇役になりやすい。

増税路線も消えたわけではない

マムダニ氏は、富裕層や大企業への増税も掲げてきた。年収100万ドル超の富裕層への所得税上乗せや、大企業への法人課税強化を財源として、住宅、交通、食料支援などを拡充する構想である。

つまり、政府を小さくしようとしているわけではない。細かな規制は減らす。しかし税は取り、再分配は強め、行政自身も事業に乗り出す。

日本が真似するなら増税抜きで

日本で参考にするなら、二重許可の廃止や申請手続きの簡素化だけを真似すればいい。

ところが日本では、こうした小さな規制撤廃よりも、「富裕層にもっと負担を」「企業にも応分の負担を」という話のほうが輸入されやすい。

日経新聞がマムダニ市長の小手先の政策を礼賛している時点で「お里が知れてる」と言わざるをえないだろう。

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