「マイナンバーカードは作らない人」には有料負担を

黒坂岳央です。

未だに「マイナンバーカードを作りたくない」という人の話をよく聞く。「国が持たせようとしているものだから陰謀だ」「特別困ってないから」ということのようである。

誰が何をするのも自由であり、強制力はない。だが正直、「自分はやりたくない」というワガママは「情弱」というより「迷惑」という方が正しい。一括処理が出来ないためにデジタル化が進まず、余計な人力コストが発生しているからだ。

法律では強制が難しい。そのため、筆者は「マイナンバーカードを作らない人には有料対応にすればいい」と思っている。これが一番合理的だ。

mapo/iStock

ないと不便になったマイナンバーカード

筆者はマイナンバーカードが流行り始めた時に真っ先に作成した。新しいものずきだったのですぐに触れたいと考えた。だが、最初の数年は正直ほとんど使う機会はなかった。「せっかく作ったけど大して活用の幅はないな」と思っていた。

だが、今はもう時代が完全に変わったと感じる。何をするにもマイナンバーカードをちょくちょく出すようになったからだ。

申込み関係である。たとえば筆者が使っているSIMキャリアではマイナンバーカードがないと申し込みすら出来ない。公的個人認証サービス(FPoSなど)を用いた本人確認のためで、郵送や来店など一切不要でその場ですぐ使える。大変便利だ。

それだけではない。小学生の息子が英検を受験したのだが、2026年度から英検3級以上は、受験者に顔写真付き身分証明書の提示が求められるようになった。

学生証や生徒手帳、パスポート、マイナンバーカードなどで対応するわけだが、小学生なので運転免許証など当然ない。うちの学校では顔写真付き学生証も発行不可だ。そこでわが家ではマイナンバーカードを用意して日曜日に受験できた。ないなら有料でパスポートを作らねばならない。

また、e-Taxこそマイナンバーカードの本領発揮だ。マイナンバーカード方式ならログインから申告データの送信までオンラインで完結する。従来のID・パスワード方式はすでに新規発行が停止され、2027年分の確定申告から廃止される予定だ。まさに旧方式から新方式への移行が進んでいる。

そして病院に行くときはiPhoneに入れたマイナンバーカードで健康保険証の代わりになる。

正直、マイナンバーカードがないと生活は非常に不便になると感じるくらいでもっと拡大してもらい、DX化を推進してもらいたいと思っている。

「持たない人」に合わせる必要はない

冒頭に述べたが、マイナンバーカードについては、今でも「作りたくない」「持ち歩きたくない」という人がいる。

もちろん作らない自由はあっていい。だが、マイナンバーカードを作らない人のために、社会全体がいつまで旧来の本人確認手段を維持するのか?という問題を考える必要がある。

本人確認ひとつを取っても、オンラインで完結できる仕組みと、紙の書類、郵送、窓口、人間による目視確認などを並行して維持すれば当然コストがかかる。しかも、そのコストを負担するのは「作らない」と決めた本人だけではなく、企業や行政、最終的には利用者や納税者全体である。正直、ワガママを言う人を支えるのはおかしな話だ。

マイナンバーカードに限らず、新しい仕組みが導入されるたび「高齢者はどうする」「スマホを持っていない人はどうする」という議論になる。だが「できない人」は百歩譲って理解できても、「できるけれどやりたくない人」は単なる本人のワガママでしかない。

後者に社会全体を合わせ続ければ、いつまでたっても古い仕組みを廃止できない。

作らない人には有料対応で解決

マイナンバーカードを作りたくない人は作らなくてもいい。その代わり、コストを本人に負担してもらうべきだ。

「このサービスは手数料を払って本人確認のみ」「手数料負担をして郵送」となっても、それは受け入れてもらえばいい。社会全体が少数の拒否する者に合わせるのではなく、便利で安全で安価な仕組みを標準にしていく。そして、合理的な理由なくそこへ移行しない人については、ある程度「放置」でいい。

冷たく聞こえるかもしれない。だがこれは弱者の切り捨てではない。選択の自由を認めた上で、その選択によって発生するコストまで他人に負担させない、というだけの話である。

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国によってはこうした変更を半ば強制的に移行させ、ついてこられない人は切り捨てるのに近い方針でやっているところもある。変化の早い時代、正直、それでいいと思っている。変わらない人のせいで社会全体で支える方針はやめるべきである。

マイナンバーカードの発行は無料であり、忙しい人のために自治体によっては公民館で出張発行まで対応してくれる。それでもやらないなら不利益を被っても仕方がない。社会性がない人は便益だけフリーライドする資格はないだろう。

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「Z世代を甘やかすな」(著:黒坂岳央)

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働き方・キャリア・AI時代の生き方を語る著者・解説者
著書4冊/英語系YouTuber登録者5万人。TBS『THE TIME』など各種メディアで、働き方・キャリア戦略・英語学習・AI時代の社会変化を分かりやすく解説。

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