公正取引委員会は10月7日、スーパーや飲食店などで販売されるビール類の価格を調整するカルテルを結んだ疑いがあるとして、アサヒビール、キリンビール、サントリー、サッポロビールの大手4社に強制調査に入った。朝日新聞
業界団体の会合後に価格協議か
4社は少なくとも数年にわたり、ビールに加え、発泡酒や第三のビールを含むビール類の出荷価格を調整していた疑いがある。主に営業担当の課長級社員らが、業界団体「ビール酒造組合」の定例会合後に別途集まり、非公式の「裏会」で価格を取り決めていたという。
商品のサイズごとに価格を決めていたとみられ、一部の会社では協議内容が経営陣に報告されていたとも報じられた。公取委は組合にも立ち入り、価格改定の経緯を調べている。
企業が原材料費や人件費の上昇を価格に転嫁すること自体に問題はないが、競合企業同士が値上げ幅や実施時期を事前に申し合わせれば、話は変わる。公取委は、コスト上昇をいつ、どの程度価格に反映するかは各社が自主的に判断すべきであり、事業者間での申し合わせは価格カルテルとして独禁法上の問題になると説明している。
刑事告発も視野に強制調査
今回、公取委が用いたのは、刑事告発を視野に入れた「犯則調査」の権限だ。裁判官の許可状を得て捜索し、証拠を差し押さえることができる。
公取委の岩成博夫事務総長は7日の会見で、犯則事件として調査を始めるに足る証拠が得られたと説明した。4社は調査を受けたことを認め、全面的に協力する意向を示している。ただし、現段階でカルテルの成立や独禁法違反が認定されたわけではない。
銘柄が違っても価格競争はあったのか
国内のビール市場は、大手4社が大半を占める。各社は味やブランド、広告で競い合っているが、出荷価格を調整していたなら、消費者にとって重要な価格競争が損なわれていた可能性がある。
仮に出荷価格が競争のある場合より高く設定されていたなら、卸や小売店、飲食店の仕入れ負担を通じて、消費者にも影響が及んだ可能性がある。ただし、店頭価格への具体的な影響は、今後の解明を待つ必要がある。
消費者が知りたいのは、値上げが本当に各社の独立した経営判断だったのかという点だ。「調査に協力する」という表明に加え、疑惑の解明後には、価格決定の実態と責任の所在について、納得できる説明が求められる。







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