自分を支持しなかった首長の自治体について、道路予算を大幅に削減したと発言した簗和生農林水産相への批判が、自民党内にも広がっている。10月9日、自民党の農業構造転換推進委員会で、鈴木宗男参院議員が簗氏の対応を厳しく批判した。
鈴木宗男氏も「応援できない」
簗氏が冒頭のあいさつで一連の問題に触れなかったことに対し、鈴木氏は「まず騒動へのおわびや説明する姿勢を示すべきだ」と指摘。「人としての矜持が問われている」と迫り、政策への決意を述べるだけでは応援できないとの趣旨を伝えた。簗氏はその場で謝罪した。
鈴木氏の発言は辞任要求ではなく、説明と態度の改善を求めたものだ。それでも、身内の会合で公然と苦言を呈された意味は小さくない。野党の追及をかわす以前に、与党内で擁護してもらうための説明さえ足りていないことを示している。
「削減させた」という発言は認めたが「影響はなかった」
問題の核心は、実際の予算配分に政治的な介入があったのかという点だ。国土交通省は、今年2月の配分作業中に簗氏から問い合わせがあったことを認めたが、井林国交相は配分作業への影響はなかったと説明した。
やり取りのメモなどは残っていないと主張しているが、それは考えにくい。役所は政治家との面会の記録は詳細につけており、特に公共事業への影響の大きい国交省は政治家との「貸し借り」を重視する。
介入がなかったなら、なぜ自ら削減したかのように語ったのか。政治家の影響力を誇示するための発言だったのか、その根拠は何だったのか。撤回と謝罪だけでは、この疑問は消えない。
「働いて仕事で返せ」では国民も納得しない
高市首相は、簗氏に発言の撤回と謝罪を求めたうえで「働いて仕事で返せ」と言ったとして、続投を認めている。他方、参院の野党6党は9日、辞任を求めることで一致。問責決議案の提出を協議する方針だ。news.tv-asahi.co.jp
ここからは政権運営上の判断も問われる。簗氏を守り続ければ、説明が不十分な閣僚を首相がかばっているとの批判が強まる。逆に更迭すれば、これまで続投を認めた判断との整合性を説明しなければならない。
自民党内からも説明を求められるなか、簗氏の問題を「謝ったから終わり」にできる段階は過ぎつつある。高市首相が何を根拠に続投を認め、どこで判断を改めるのか。その対応が、政権の信頼を左右する。







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