米国防総省は、2009年にテキサス州フォートフッド陸軍基地で発生した銃乱射事件で13人を殺害した元陸軍少佐ニダル・ハサンの死刑執行について、ライブ配信を計画していると明らかにした。執行は12月3日に銃殺隊によって行われる予定で、実現すれば、米軍による処刑としては1961年以来となる。

トランプ大統領とヘグセス戦争長官 ホワイトハウスHPより
今回の決定で注目されるのは、死刑執行の方法だけではない。国防長官ピート・ヘグセスが、処刑を「公開」する方針を打ち出したことだ。米軍による死刑執行を一般の人々が視聴できる形にするという判断は、米国の刑罰制度に加え、トランプ政権の政治姿勢を考えるうえでも議論を呼びそうだ。
13人が犠牲となったフォートフッド銃乱射事件
事件が起きたのは2009年11月5日。陸軍の精神科医だったハサンは、テキサス州フォートフッド基地内で銃を発砲し、軍関係者13人を殺害、32人を負傷させた。
ハサンは2013年、軍法会議で計画的殺人などの罪により死刑判決を受けた。今回の処刑は、トランプ大統領が銃殺隊による執行を承認したことを受けて決まったものだ。
米軍による死刑執行は極めてまれであり、最後に執行されたのは1961年とされる。また、米軍が銃殺隊による処刑を行った最後の事例は、第二次世界大戦中の1945年にさかのぼる。
ヘグセス国防長官が打ち出した「公開」の方針
AP通信などによると、ヘグセス国防長官はメディアのインタビューで、ハサンの処刑について、国民が視聴できるようにすると説明した。国防総省当局者も10月8日、処刑をライブ配信する計画を明らかにした。ただし、具体的な配信先や実施方法など、詳細はまだ示されていない。
ヘグセスは、事件のような犯罪には重大な結果が伴うことを人々が理解する必要がある、という趣旨の説明をしている。ここでは、処刑が単なる刑罰の執行にとどまらず、犯罪に対する国家の厳しい姿勢を社会に示す機会として位置づけられている。
ヘグセスは、軍の戦闘能力や即応性を重視し、軍に「戦士の文化」を取り戻すことを掲げてきた。今回の発言も、軍事力や厳罰を通じて国家の強さを示すという、彼の政治的なメッセージと重なる部分がある。
トランプ政権が発するメッセージ
今回の一件は、トランプ政権が犯罪や安全保障上の脅威に対して、強硬な姿勢をどのように示そうとしているのかを考える材料となる。
ヘグセスは、処刑を公開することによって、犯罪に対する厳しい処罰と国家の意思を社会に示そうとしている。12月3日の執行が予定どおり行われるかに加え、国防総省がどのような形で公開を実施するのかも、今後の焦点となる。







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