ニデックが永守重信氏らに損害賠償請求へ:会計・品質不正で経営責任追及

ニデックは10月16日、一連の会計不正をめぐり、創業者の永守重信氏ら計9人について、役員責任調査委員会が損害賠償責任を認める結論を出したと発表した。損害賠償請求などの法的措置を検討し、速やかに対応する方針を示した。nidec.com

日本経済新聞

永守氏ほか旧執行部の経営責任を追及

対象には永守氏のほか、元会長の小部博志氏、歴代社長の吉本浩之氏、関潤氏、岸田光哉氏らが含まれる。調査委は取締役経験者8人について会社法に基づく賠償責任を認め、元最高財務責任者(CFO)の旧執行役員1人にも義務違反による責任があると判断した。

請求額や提訴時期は公表していない。損害の範囲は、それぞれの寄与度に応じて判断すべきだとしている。報告書は一部を非開示としたうえで、10月20日をめどに公表する予定だ。

過剰な「業績達成」圧力

会計不正の背景として指摘されてきたのが、経営トップによる過度な業績達成圧力だ。先行する第三者委員会は、永守氏が不正を指示・主導した事実は発見されなかった一方、一部の会計不正を容認したとの評価は免れないとした。

東証も、経営トップの圧力によって法令順守が軽視され、監査や経理部門のけん制機能が働かなかったと指摘している。EE Times Japan

問題は決算の数字にとどまらない。9月公表の品質調査では、顧客の承認を得ない部材・工程・設計変更など844件の品質不適切行為を確認した。試験・検査結果の改ざんや捏造も22件あった。

原因は永守氏への権力集中

調査委は、永守氏への権限集中を基礎とする経営体制や、実力に見合わない利益目標、短期的なコスト削減要求を構造的な問題として挙げた。ただし、今回公表された賠償責任の判断は会計不正に関するものである。nidec.com

業績目標を厳しく求めるなら、その達成過程を監督する責任も経営者が負う。現場に数字を約束させながら、不正が発覚すると現場だけの責任にする経営は通用しない。

今回の発表は、創業者や歴代経営陣の責任を具体的な金銭負担につなげる一歩となる。信頼回復に必要なのは、責任に応じた請求を実行するとともに、トップの要求にも異議を唱えられる監督体制を築くことだ。

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