サイバー攻撃によるデジタル社会のマヒが招く不気味な金融危機

中村 仁

高市首相が就任1年の21日に「日本経済が音を立てて動きだすことを目指す」と発言しました。「音を立てて動きだした」のは、過剰にデジタルに依存する社会の脆弱性を攻撃する集団ではなかったのか。

過剰な国家債務、不安定な市場の流動性、脆弱なデジタル依存の決済システムが不気味に連動して、過去のものとは本質的に異なる世界経済危機が忍び寄っているのではないかと想像します。

米マイクロソフト社は22日、「中国政府に関係するハッカー集団がAIを駆使して、世界の数百の企業、組織に大規模なサイバー攻撃を行った」と発表しました。金融の決済・取引、物流、病院などに始まり、社会の基幹的なインフラの維持・運営、政府活動、防衛・警察に至るあらゆる分野に障害が発生する恐れがあります。

日本はもちろん、米欧の各国政府は対応に慌てふためいています。国防、宇宙航空、金融、社会インフラなど幅広い分野が攻撃対象になり得る。世界のウェブサイトの7割で使用されているというプログラミング言語(PHP)に欠陥があり、そこをAIが突いた。あるいは突かれる恐れがあるため、防御のためにサイトの停止に追い込まれている。各国は対応に追われています。

高市首相 首相官邸HPより

高市首相の「大至急のお願い」とは

高市首相は21日夜、Xで「大至急のお願い」として、迅速なプログラムの更新を呼びかけました。専門家は「金融、通信、電力などのインフラシステムを止める勇気を持て」などと呼びかける。社会の神経系統、血流が止まれば、何が起きるのでしょうか。底知れぬ経済危機、大不況の到来でしょうか。

朝日新聞は1面、3面、4面、9面、社会面、社説欄を動員して、「国内外でサイト停止」、「ネット混乱で暮らし直撃」、「官民で総力あげ対策を」と、まるで戦争が始まったような扱いです。読売新聞も数ページにわたる大展開で「犯罪集団のサイト乗っ取り」、「通販サイトなど停止」、「衝撃広がる」と、やはり巨大な危機の襲来を伝えています。

AIの暴走に人間が追い付かない

じわじわと忍び寄り、ある日突然、パニックが訪れる。「AIの暴走に人間の意思決定が追い付かない。防御の構築が間に合わない」、「暴走を止めるには、システムの遮断しかない。つまり、情報、決済、物流などが止まる」、「経済危機の可能性は80%」と、AIに質問したら、不気味な回答が返ってきました。

日本の政治といえば、消費税の減税財源探し、農相の更迭騒動、高市首相の危うい思い付き政策など、目先の話一色です。もっと重要なのは、いまだ経験したことがないような、デジタル化社会の不気味な暴走、自爆とでもいえるような危機にどう対応するかでしょう。


編集部より:この記事は中村仁氏のnote(2026年10月23日の記事)を転載させていただきました。オリジナルをお読みになりたい方は中村仁氏のnoteをご覧ください。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント