ニデックの監査法人であるPwCにも批判の矛先が向いているようです。私の感覚からすればPwCとニデックの40年以上に渡る阿吽の呼吸が生み出した問題放置の関係が背景に見えます。監査担当者は時折変わるものの京都PwCにとってニデックは超優良顧客で今回も170億円という巨額の監査料を払っているとされます。個人的には40年の間に矛盾が広がり、それを今、無理やり調整しようとしているのでPwCの過去の姿勢に矛先が向かっているとみています。私も法人監査(オーディット)はお願いしてきましたが、監査人は途中でデロイトからKPMG更に小さな会社に変えたことがあります。知りすぎた関係は嫌だったのです。また私が会社を買収した時、地場の小さな会計士だったのですが、資金を出した銀行から「こんなちっぽけな監査人のレポートなんて…」と嫌味を言われたこともあります。監査人選びはなかなか重要な意味があると言えそうです。
では今週のつぶやきをお送りします。
大荒れ、テック株は落ち着きを取り戻すか?
テック株がこれほど悪役になるとは想定外でしょう。先週のメタ、今週のグーグル、更にインテルに至っては株価が溶解したと言ってよいでしょう。更におまけがついたのが仮想通貨最大手バイナンスがサイバー攻撃を受け1兆円規模がハックされた事件です。ハックしたのは北朝鮮筋。サイバー攻撃は日本国内も散々たる状況ですが、世界でもひどく、今や、悪気がある者はいくらでも悪さができるし、北朝鮮などは国家を挙げてこれで稼いでいるようなもの。今頃、金正恩氏から褒められているのではないかとすら勘繰りたくなります。
売りは売りを呼ぶもので金も大きく下落したのは一部に換金売りが出ているものと思われます。日本市場も週明けは要注意で私はキオクシアは決算が事前予想に届かなかった点が悪役となり、大幅安になる公算はあるとみています。富士通が金曜日ストップ安に沈み、多くの日本のテック系も散々な状況になっている点から非テック系に資金がシフトするような状況ですが、相場が崩れてくれば全面安となるいよいよセリングクライマックスが近いのかもしれません。どこが底か、といえばたぶん、11月4日、つまり選挙結果の大勢がみえたその日はあり得ます。どのような結果になっても市場はそれを受け入れる寛容さがあるのでそこから回復するシナリオはありますが、それが自立反発に留まるか、年末のラリーになるかは現時点では判断できません。

キオクシアHPより
テック系、特にAI系が散々な状況にある一つの理由は「やっぱり本当に利益に貢献するかわからない」という点だと思います。アップルとメタが真逆の経営方針で、ザッカーバーグ氏はとにかく最先端について行く先頭集団グループの仲間に入ることを良しとします。一方のアップルは他社は他社、自分の会社は独自のビジネス構築があるという余裕をうかがわせているところの違いでしょう。そのあたりが現在の株価形成につながり、アメリカの投資家あたりが共有しているコンセンサスとしてAI外しを真剣にポートフォリオに取り込むというわけです。
それにしても冒頭のバイナンスのサイバー攻撃を見るとテック系の高度な技術が真逆の結果を生み、散々な状況を生んでいる点は考慮すべきでしょう。もちろん、挑戦することは重要ですが、あまりにも世界が無防備な技術覇権争いをしたようにも感じます。故にテクノロジーと遠い企業の株価がしっかり値を保っている事実は見過ごしてはなりません。来週の相場は極めて重要な節目を迎えるように感じます。
読めない世界政治
ラガルドECB総裁が任期の27年10月を待たずに27年2月で辞任すると発表しました。理由は氏の後任選びを含めた政治の駆け引きにおいてマクロン大統領が力があるうちに決めておくことがその理由とされます。フランスでは27年4月か5月に大統領選がありますが、マクロン氏は制度上立候補できない中、現在、極右のルペン氏の優勢が伝えられ、何が起きるかわからないならまだコントロール可能で幕引きしやすいうちに辞任した方が良いというわけです。ある意味、火中の栗は拾わない判断で賢いとも言えるし、ズルいとも言えます。
イスラエルの選挙結果も微妙でした。ネタニヤフ氏率いる与党リクードは27議席。今まで連立を組んでいた宗教系と手を合わせても過半数の61に到達しません。また野党連合も過半数に到達しておらず、今回の選挙で急伸したアラブ系政党が19議席を獲得してキャスティングボードを握るように見えますが、実際には同政党は反ネタニヤフ氏なので逆立ちしても与党連立にはなりません。ということは連立による組閣ができないので法律に従い、42日後に再選挙になる公算が高い、というのが今現在の状況です。一番怖いのはイスラエルが実質的に政府機能を失います。ネタニヤフ氏はこれを想定していて暫定首相になりニコニコでしょうし、現閣僚も次が決まるまでは残りますが、権限の及ぶ範囲は大幅に縮小されます。
ではアメリカ。今週、アメリカのシンクタンク、ハドソン研究所の方の講義に参加して意見を拝聴しました。メディアのトーンと若干違い、「隠れ右派はトランプ氏を支持しなくてもトランプ氏を好きという人はいる」という説明に一定の説得感はあったものの世論はそこまで高度な思想を持っているのだろうか、というシンプルな疑問は感じました。私が見る今回の選挙はトランプ氏がいないほうが、つまり前面に出ない方が良いような気がしました。共和党の良さや政党としての色が全部、トランプ色に染まってしまい、有権者を惑わしているように感じるのです。主義主張が弱く統一感がない民主党相手なら共和党はもう少ししっかりしたビジョンがあるのにもったいないと思っています。
読めない政治というのは経済のグローバル化を否定して経済が半ばブロック化しているのと同様、政治の連携もブロック化していくのだろうか、という疑問の投げかけであります。その場合、日米の連携は本当に強固なのか、今一度振り返る必要もあるし、日本からアメリカを引いたら強固な連携を持つ主要国は外交的にあまりない現状を考えると日本は政治的にお友達はアメリカ一国だけでよいの、という疑問はあります。高市氏がバングラデシュへの支援を約束していますが、明らかに対中国の政治的判断であります。対立軸を基準に政治と外交が動くのか、もともとあった政治的グローバリズムを呼び戻すのか、難しい局面にあるとも言えないでしょうか?
後記
カナダ人がアメリカ嫌いとなり、カナダ人観光の人気NO1は日本なのですが、これは一時的なもので伝統的には11月ぐらいから2月は避寒でメキシコに行くのが定番。その私もその定番に沿って現在、たぶん13回目ぐらいのメキシコのカンクン。オールインクルーシブ元祖と言われるだけあり期待は裏切りません。今泊っているホテルはゼネコン時代、初めて社長と訪れたホテルの隣。当時、2人でスーツにネクタイしてマルガリータを飲んだのがあまりにも浮きすぎていて今思い返すだけでも爆笑でした。Youは何しに社長とカンクンへ、と思うでしょう。カンクンで高級リゾートホテルを開発して工事中だったのと、ラグーン側にゴルフ場を作って経営していたんですね。ゴルフ下手な社長と私がそのゴルフ場でプレーすればボールは藪に入るか、池のそばに。だけどそれは全部ロストボールにしたのは池には口を開けたワニが、藪には蛇が待っているのであります。2度とあそこではゴルフしないと誓ったゴルフ場であります。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年10月31日の記事より転載させていただきました。







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