GMO熊谷代表が謝罪会見で繰り返した「命の砂時計」とは?

11月2日、熊谷正寿代表は「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスを巡って会見を開きました。そこで繰り返されたのが「命の砂時計」という言葉です。

熊谷代表(ITmedia)

謝罪会見で顧客が知りたいのは、何が起き、なぜ防げず、どう償うのかですが、熊谷氏の会見では、経営者が人生を何に捧げてきたかを延々と聞くことになりました。

人生訓が謝罪会見に登場

会見は3部構成でした。冒頭の謝罪や経緯説明に続き、第2部ではAIの発展に伴うサイバー犯罪の脅威や経営理念について約30分の説明がありました。ITmedia

なぜそこに時間を割いたのでしょうか。記者に問われた熊谷氏は「自分が限りある人生をインターネットとグループに捧げてきたことを理解してもらうため」といいます。そこで出てきたのが、「命の砂時計」です。

これは出典があるわけではなく、彼独特の表現ですが、人生の残り時間を砂に見立てた比喩です。砂は落ちたら戻らないという意味で、以前から講演などで使っていますが、謝罪会見では場違いな印象はまぬがれません。

理念に30分、質問には時間節約

この比喩は、記者とのやりとりでも登場しました。ABEMA TIMESによると、事前の指摘や当時のリスク判断について質問された熊谷氏は、質問が重複しているとして、「同じ回答をすると皆様の命の砂時計を無駄遣いします」と、違う質問をするよう求めました。

記者は重複ではないとして具体的な説明を求め、やりとりの後、担当役員が説明したといいます。質問の重複を整理することには意味があります。しかし謝罪する側が説明を求める側の時間の使い方まで指導するのは、いかがなものでしょうか。

守るべきは顧客の時間

もちろん、サイバー攻撃を実行した者の責任は重大です。AIによる犯罪の高度化も、社会が向き合うべき問題でしょうが、一般的な脅威の説明で、個別の管理責任が解けるわけではありません。

熊谷氏はシステムにセキュリティ上の問題があったこと、グループ内の専門家から課題を指摘されながら運営に生かせなかったことを認めました。

情報流出に加え、顧客の資産が毀損する被害も説明されました。必要なのは、壮大な未来予測より、指摘がなぜ十分な対策につながらなかったのかという検証です。

顧客にも命の砂時計があります。被害確認や問い合わせ、必要な手続きに費やす時間も、二度とは戻りません。経営者が時間の尊さを語るなら、まずその砂を減らしてしまったことに向き合うべきでしょう。

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