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日本がこれまでに出した二酸化炭素(CO₂)は、地球の平均気温をどれほど押し上げたのだろうか。国際機関の数値を用いて、幕末の1850年から2024年までの排出を足し上げると、その寄与は約0.033℃と推計された。以下に説明しよう。
まず、国際研究グループ「グローバル・カーボン・プロジェクト」の国別データを使って、日本の年間排出量を調べた※1)。石炭、石油、天然ガスを燃やすときや、セメントを造るときに国内で出るCO₂が計上されている。土地の使い方が変わったことによる排出と吸収も含まれている。例えば、森林を切り開くとCO₂が出るが、そこに再び木が育てばCO₂を吸収する。同報告の3つの推計のうち中央値を採用した。
図1を見ると、日本の排出量が急に増えたのは戦後である。1950年には年1.7億トンだったが、1970年には年8.0億トンと、20年で5倍近くになった。最多は2013年の13.0億トンで、2024年には9.7億トンまで減っている。

図1 日本の年間CO2排出量
175年間の合計は、化石燃料やセメント製造などから約696億トン、土地利用の変化から差し引き約46億トンで、合わせて約742億トンになる。同じ方法で求めた世界全体の累積排出量は約2兆7300億トンだから、日本が占める割合は約2.7%だ。
では、742億トンは気温にして何度分か。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、CO₂による気温上昇は、それまでに排出したCO₂の総量にほぼ比例する。この換算に使う係数を「累積CO₂排出量に対する過渡的気候応答」(TCRE)という。IPCCの中心値では、CO₂を累計1兆トン排出するごとに、地球の平均気温は0.45℃上がる※2)。
日本の742億トンは1兆トンの7.42%だから、0.45℃に0.0742を掛けると、約0.033℃になる。図2は、この計算を各年について行ったものだ。1950年までの100年ほどで日本の排出が押し上げた気温は約0.0036℃だった。全体の約9割は、1951年以降の排出による。

図2 日本のCO2排出による地球平均気温の上昇
なお、以上の推計はIPCCの論法に基づいているものだ。IPCCは過去の地球温暖化はすべてCO₂(より厳密には温室効果ガスとエアロゾルの合計)によるとしているが、太陽活動の変化などがあったとすれば、CO₂の寄与はこれよりも小さくなる※3)。
また、IPCCは都市化による気温上昇への影響は小さいとして無視しているが、実際には都市化による気温上昇への寄与は無視できる量ではない※4)。すると、日本による過去の地球温暖化はせいぜい0.033℃程度で、おそらくはそれ以下だったということだ。
【参考リンク】
※1)Global Carbon Project『Global Carbon Budget 2025』国別排出量データ(第1.0版)
※2)IPCC『第6次評価報告書』第1作業部会、政策決定者向け要約 D.1.1(気象庁訳)
※3)杉山大志「IPCC報告の論点㉛:太陽活動変化が地球の気温に影響した」
※4)杉山大志「【研究ノート】地球の気温データセットへの都市化の影響の混入について」







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