安達祐実さんが、舞台『千と千尋の神隠し』で湯婆婆と銭婆を演じます。公演公式サイトで発表された配役には、夏木マリさんらとともに、その名前が並びました。12月に開幕する台北公演から参加する予定です。

意外な配役に心が躍りますが、これを「45歳なのに若い安達祐実が、おばあさん役に挑戦」と受け止めるだけでは、もったいない気がします。私たちはいつまで、彼女をかわいさで採点するのでしょうか。
子役のイメージがいつまでも残る
「若く見える」は、たいてい善意の褒め言葉ですが、安達さんは「その年齢には見えない」「奇跡の40代」と繰り返されます。子役時代の印象も重なります。昔から見ている人ほど、画面の中の彼女を、自分の記憶にある姿へ引き戻してしまうのかもしれません。
安達さん自身は、もっと冷静です。2019年のORICON NEWSのインタビューでは、「自分自身を若く見せたいという気持ちは全然ない」と語り、自然に年齢を重ねていきたいという考えを明かしています。
2023年の『情熱大陸』では、「奇跡」と持ち上げられた後に、年齢による変化を否定的に受け取られることへの思いも語っています。実際には年齢を重ね、内面も成長しているのに、それを認めてもらえないつらさがあったそうです。
「変わらないね」は便利な言葉ですが、その間に積み重ねた仕事や経験まで見えなくしてしまうことがあります。何十年も働いた人への感想が、結局「昔のままでかわいい」だけ。自分の仕事に置き換えたら、少し複雑ではないでしょうか。
湯婆婆役で楽しみにしたいもの
もちろん、湯婆婆を演じるからといって、安達さんが若さへの評価を拒む宣言をしたわけではありません。今回の配役に、本人が語っていない思想まで背負わせる必要はありません。それでも、観客の期待の置き方は変えられます。
かわいい安達さんがどう変身するのか。それも舞台の楽しみでしょう。でも、関心をそこだけで終わらせず、声の響きや動き、湯婆婆と銭婆の演じ分けを見たい。外見のギャップを驚くためだけでなく、その芝居を見るために劇場へ行きたいと思います。
若く見せる努力も、年齢を重ねた姿を見せることも、本人が選べばいい。面倒なのは、周囲が「あなたはいつまでも若くいてくれなきゃ困る」と、褒め言葉の形で注文をつけることです。彼女の顔が何歳に見えるかを数えるより、私たちの褒め言葉の種類を、そろそろ増やしてもいいのではないでしょうか。







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