ブラック企業のすすめ

生島 勘富

体罰と丸坊主で謝罪、解雇規制について

追い出し部屋と、就活、体罰について

体罰や、アイドル・就活のことを書いてきたので、その流れでブラック企業についてもう少し考えてみたい。


■ブラック企業とは

wikipediaには以下の様に定義されています。

ブラック企業(ブラックきぎょう)またはブラック会社(ブラックがいしゃ)とは、広義には入社を勧められない労働搾取企業を指す。英語圏では一般的にスウェットショップ(英: Sweatshop)と呼ばれている他、中国語圏では血汗工場(中: 血汗工廠)とも呼ばれる。
すなわち、労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いたり、関係諸法に抵触する可能性がある営業行為や従業員の健康面を無視した極端な長時間労働(サービス残業)を従業員に強いたりする、もしくはパワーハラスメントという暴力的強制を常套手段としながら本来の業務とは無関係な部分で非合理的負担を与える労働を従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)のことを指す。

概ね、一般的に言われている「ブラック企業」の定義と一致していると考えて良いでしょう。

この中で、「関係諸法に抵触する可能性がある営業行為」つまり、詐欺に近いような営業をやっている「ブラック企業」については論外ですので除外して、所謂、「労働基準法違反じゃないか?」というところについて考えてみたい。

■法的にどんな屁理屈か

ブラック企業といえば、有名どころでは、廉価衣料品のチェーンや、居酒屋チェーン店などがあり、有名でないところでは小さなIT企業など(苦笑)があります。

小さなIT企業などでは裁量労働制ということになっているでしょう。
生産性が人によって数倍(下手をすると無限大)の差になるためで、労働時間と成果物が比例しない職業では、裁量労働制は認められています。

衣料品チェーンや居酒屋チェーンでは、自らやっていること(研修などイロイロと報告されていますね)にされたり、裁量労働が認められる「店長(管理職)などの立場にすぐに昇進させてしてしまう」方法が取られるのではないかと思います。

■ブラック企業は創業者が健在な場合が多い

どんな会社も創業当初はベンチャー企業でした。
その創業者が健在な会社は、どんなに大きくなってもベンチャー企業の感覚が色濃く残ります。
創業者は1日24時間働いているようなもので、非常に苦しい時期をほぼ全員が経験しています。大変な苦労をした生々しい記憶があり、それを乗り越えられなければ「今はなかった」と考えています。
そのため、社員(社会)の言う「ブラック企業」の意味を頭で理解できても、感覚的にはまったく理解できないのです。

どうしても自分を基準に考えますから、感覚的にどのぐらいの労働が適切か(どこからが甘えで、どこに限界があるのか)は、実は全く分かってないのです。

いつもお話しすることですが、

  趣味を毎日14時間続ける人が、過労死することはない。
  仕事を毎日8時間、趣味を6時間続ける人も、過労死することはない。
  仕事を毎日14時間続ける人は、ときとして過労死する。

創業者はほとんどの人が、「仕事 = 趣味」の域に達しているので、肉体的な疲労から体調を崩すことがあっても、精神的に壊れることはありません。
(残念ながら、人間関係や経済的問題で壊れることはありますが……)

そして、創業者は、社員に自分と同じになって欲しいと思っています。ブラック企業に多い「共に成長しましょう」「全員が経営者になって欲しい」というのは、きれい事ではなく心底そう思っていて、それを求めてしまうのです。

■今後は全てがブラック企業になる

労働基準法は、労働時間と成果物が比例する人達を守るためにあったと言えますが、そういう人達は、本来的には置き換え可能な人です。残念ながら置き換え可能な人の仕事は、機械化されるか、どんどん海外に流れていきます。モノも、人も、金も、情報も、昔に比べれば一瞬で移動しますから、これは避けようがありません。

これからの日本(先進国)には、非正規などの発展途上国との競争になる(安い)仕事か、置き換えできない人の仕事、つまり、ブラックな裁量労働になる仕事しか残りません。

創業者が引退して代を重ねた安定期の大企業では、ある程度、労働基準法は守られてきましたが、そういった大企業でも置き換え可能な人の仕事は、非正規の方々に置き換えられています。
海外との競争が加速し企業の栄枯盛衰のサイクルが早くなっているため、就活生が、仮にブラック企業でない(=労働基準法を守る)安定期にある大企業に入れたとしても、その企業は、すぐに衰退期に入りますから、結局は「追い出し部屋」なるものに入れられる運命になりかねません。

もちろん、批判する権利はありますから、「ブラック企業」を好きなだけ批判すれば良いのですけれど、批判する人達の「労働基準法は絶対に守られるべき」という考え方は、自分は「置き換え可能な人です!」と言っているのと同じなのです。

とにかく、今後は、労働基準法の関係ないブラック企業か、非正規向けの企業(派遣会社など)にならざるを得ないでしょう。

■ブラック企業でやっていくには

全ての企業がブラック企業になると考えれば、ベンチャー系ブラック企業に就職するのは良い選択でしょう。入りやすいし、自分に合っていれば出世は異常に早いです。

ブラック企業でやっていくのは、もの凄く単純なことです。
やらされていると思わないこと」たったこれだけです。

世間で、「ブラック企業」と揶揄される会社にも、活き活きと働いている人は大勢いますが、そういう人はどんなに仕事をしても何ともありません。「仕事 = 趣味」の域にあって、「やらされている」とは、決して思ってないからです。

たとえば、最近の話題で考えると、

何百枚もCDを買わされて、踊りや応援のやり方を覚えさせられ、劇場に通わされ……。
14歳から20歳まで恋愛を禁止され、何十曲の歌とダンスを覚えさせられ、休暇もプライベートもなく……。
バスケをするのに何十発も殴られ……。

などなど、彼(彼女)らが、「(騙されて)やらされている」としたら精神が持たないでしょう。
もちろん、私がそんなことを強制されたら1日で発狂します。彼らは自らやっているからできるのです。

ベンチャー経営者やフリーランサーの仕事も同じで、仕事の厳しさで言えば、ブラック企業の社員と比べても遜色ないというか、もっと厳しいです。もし、労働基準法が適応されるなら確実に問題になるレベルですが、大抵、エネルギッシュに活き活きと働いていると思います。

なぜかというと、自ら望んでやっているからで、下請などになって「やらされている」と思った瞬間に精神を壊してしまうことは珍しくありません。勘違いする人が多いけれど、報酬の問題ではなく、自らやっているときは無茶も何ともないのですが、「やらされている」と思ったら無茶はできなくなるのです。

そんなベンチャー経営者やフリーランサーの仕事は、成功の確率は「千三つ」ですが、ブラック企業なら、「百三つ」ぐらいの確率で大出世も、安全な独立も可能ですから、入りやすいブラック企業に入って「やらされているとは思わない自ら望んでやっていると思う」ということができれば、活き活きと楽しい人生が送れるでしょう。

若者を搾取しようとして都合の良いことを言ってる」と思った人は、当然いるでしょう。
正解です!
そんなあなたは非正規の道を選んだ方が良いと思います。
私に騙される必要はありません。

これからは、二極化して中庸はなくなります。
どちらを選ぶかはあなた次第です。

■今、ブラック企業で苦しんでいる人に

ブラック企業に入って苦しんでいる(と思っている)人は、「やらされている」と思ってないか、自分の心に聞いてみてください。
やらされていると思っているなら、かなり危険です。
自ら望んでやっている = その仕事が好き」と思えないか、自分の心に聞いてみてください。
思えないなら、今すぐ辞めた方が良い
精神を壊して、最悪、自殺したりすることになりますよ。

自ら望んでやっている」と本心から思ってるのに苦しい人は、数日でも良いので休みを取って、旅行にいくなどリフレッシュしてみてください。それだけで、しばらく相当良い仕事ができるようになると思います。

根本的に合ってないのか、疲れているだけなのかは全く違います。
他人にはほとんど分かりませんので、大事に至る前に自分で判断して、正しい行動をしましょう。

株式会社ジーワンシステム
生島 勘富
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