制度設計が、やっぱり杜撰だったのかしら。
私の中では2020年東京オリンピックがどんどん薄汚れたものに変わってきたのだが、皆さんは如何だろうか。
猪瀬さんの時代にはオリンピック招致活動が成功したと大喜びをしたのだが、蓋を開けてみたら噴飯物だったな、という印象である。
招致活動そのものについても未だになにがしかの疑念が拭えないでいる。
コンパクトなオリンピック、おもてなしのオリンピックが売りだったはずが、いつの間にか競技団体やアスリートのためのオリンピックに変質し、オリンピック開催経費がどんどん膨らんで行ってしまった印象である。
まあ、印象だけで判断してはいけないのだが、年の瀬を迎えてまったくスッキリしていないことだけはお知らせしておこう。
昨日、4者協議が開かれ、オリンピック開催経費を1兆8000億円を上限として縮減することが正式に決まったようだが、その経費の分担についてはこれからの協議に委ねられることになったようだ。
マスコミ報道によると、オリンピック組織委員会の森さんは、東京都が招致したのだから、と東京都に下駄を預けるというか、東京都に責任転嫁をするような物言いをしたようだが、そんな物言いを聞いたのでは東京都知事の小池さんもカチンとくるだろう。
東京都に責任を持てと仰るのなら、森さんは組織委員会の長をお辞めになって、後のことは東京都にお任せください、と言い放ってもおかしくないところだが、小池さんはレディだから決してそんな物言いはしないはずだ。
まあ、ここは黙っておくことだ。
森さんは座談の名手で、記者会見が大好きな方だが、一方の小池さんは広報戦略のプロ中のプロみたいなところがあり、記者会見活用の名手だと思う。
多分、上手にやり過ごされるだろう。
石原、猪瀬、舛添の3都知事の時代に決まったことの後始末を、今年の7月の都知事選挙で勝って都知事に就任したばかりの小池さんが引き受けなければならないというのは、実は大変気の毒なことなんだが、都知事に就任した以上は逃げるわけにはいかない。
気の毒だが、都政の継続性や安定性を考えれば、青島さんのような真似は出来ない。
神奈川県知事や千葉県知事がオリンピック競技会場の経費負担について国や東京都、オリンピック組織委員会等に申し入れをしているようである。
競技会場の経費負担について揉めているような印象が残ると、国民の間にウンザリ感が拡がる虞がある。
みんなから歓迎されない2020年東京オリンピックにしてはならない。
ここはグッと我慢して、小池さんには様々な懸案事項を解決していただきたいもらいたいものである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。