「秘め事」を安易に他人に記録させてはならない

アゴラ編集部

誰も彼もが手に持ったスマホをかざし、自分撮りや他人撮りをしている光景をよく見かけます。技術の進歩というべきか、ちょっと前なら周囲が暗く明度が高くない状況で、鮮明な画像はもちろん動画などは撮影できませんでした。しかし、画像素子の感度と画像処理の性能が格段に上がり、暗い照明下でもよく映るカメラ機能が、デジカメはおろか携帯デバイスにも普通につくようになった。スマホなどで手軽に写真が撮れるようになり、画像や動画の記録装置が街のあちこちに存在するようになっています。


そうなれば、人間が考えることなど、古今東西で同じです。密室における親密な男女の「いとなみ」を撮影し、楽しんだりするようになる。いったい、そうした行為の目的はなんなのか、よくわかりません。「精子戦争」的にいえば、他人の「いとなみ」だからこそ、自分の精子の再生産につながるわけで、自分の「行為」を後で自分で鑑賞したって、おもしろくもなんともない、と思うのはオッサンだからでしょうか。

10月8日、東京三鷹市で女子高生がつきまとっていた男性に刺殺され、ストーカー殺人か、と話題になっています。容疑者の男性は、実は被害者と交際していた、という話もあり、さらにネット上に二人の関係を示す動画がアップされ、事件はただならぬ様相を呈し始めています。いわゆる「痴情のもつれ」なのか、芸能界で活動もしていたという被害者の女子高生の「非日常」が興味本位でクローズアップされ、表題記事に書かれているような「セカンドレイプ」状態に発展しつつある。巨大掲示板の住人たちの中には、殺された被害者や親族の心情を考え、データの拡散を自省をしろ、という声をあげている投稿者もいます。

技術の進歩は速く過激です。「秘め事」というように、人間には誰しも「秘密」の部分があります。男女の「いとなみ」に限らず、人に見られたり知られたりしてはいけないデータを安易に記録に残しておくことが、どれだけ危険なことなのか、よくわからないまま、最先端の技術のもてあそんでしまう。これはコンビニバイトの「バカッター」と同じで、ネットの拡散力に想像をめぐらすことができないんでしょう。

慰安旅行の余興でひそかに上映された画像劣悪なブルーフィルム時代なら「あれは自分じゃない」と否定できました。しかし、今の高解像度の優秀なデジタルガジェットで記録されたデータでは難しい。「秘め事」を録画しよう、と相手に言われても断固拒否するべきです。そんなものは「愛情の確認」でもなんでもない。重要な「ネットリテラシー」や「デジタル処世術」として、子どもたちに必ず教えておかなければならないことがまた一つ増えたようです。

EXドロイド
女子高生刺殺事件で「プライベートポルノ」が流出 被害者へのセカンドレイプをどう防ぐべきか


おっさんマウスが小学生マウスを襲う?待ったの決め手はフェロモンにあり
化学者のつぶやき
フェロモンについては、まだまだわからないことばかり、というのが定説です。わかっていることでも再現性がなかったり、単に固有種だけのもので普遍性に欠けていたりしている。マウスのフェロモンがわかったからといって、ヒトのことが何かわかるか、といえばなかなか難しい。ヒトにはヤコブソン器官、鋤鼻器は退化してない、とされてますが、本当にそうかどうかわかりません。嗅覚が代替してるかもしれない。ただ、アジアやアフリカにいる旧世界ザルとヒトを含む霊長類、アザラシやクジラ、ジュゴンなんかでは、鋤鼻器は子どもの頃だけあって大人になるとなくなるか、最初から退化してなくなってるか、あっても機能が疑わしい痕跡程度に残ってるくらい。水中で暮らすほ乳類に鋤鼻器がないのはわかりますが、どうして旧世界ザルや人間では退化したり機能が失われていたりするんでしょう。鋤鼻器のある生物では、においやフェロモンを受けてからの神経回路が、本能や情動といった生物の基本的な機能と関係のある脳の部分につながっていることがわかっています。鋤鼻器がない生物では嗅覚系で代替してるのかもしれないし、昆虫のように嗅覚系と共通の脳の回路を使っているのかもしれません。鋤鼻器がないからといって、フェロモン物質がなかったり、それを感じる体の機能がないということにはならないと考えられているんですな。マウスで発見された「ロリコンフェロモン」は、果たしてヒトにもあるのか。ナボコフにでも聞いてみましょう。

荷物15億個の伝票をデジタル化、ドライバーの知をビッグデータに変えるヤマトホールディングス
ITpro
シマシャツ野郎どもと比べると、クロネコのほうがより丁寧です。シマシャツ軍団はけっしてイケメンぞろいじゃないし。あーゆーイメージ作りを「あざとい」と感じない人ってけっこういるんですな。なんでもかんでも「ビッグデータ」でもないんだが、宅配便屋が扱う荷物の量が膨大だというのは、なんとなくわかります。ヤマト運輸の扱う宅急便・メール便の量は、年間約100億トランザクション、と言われています。トランザクションというのは、宅急便扱い処理量の単位で、宅急便1個で平均4、メール便は1冊あたり平均3のトランザクションが発生するらしい。メール便を入れず、単純に100億トランザクションを割ると宅急便は年間約25億個、ということになります。

ホリエモンとやまもといちろうがTwitterで足掛け12時間のバトル~「そんなこと言ってねーよ」「友達じゃねーし」「ブタ!」「クズ!」「おまえもな」
BuzzPics – 炎上ならバズピクス
「秋の夜長」という表現がぴったりな季節になりました。しかし、ヒマな人がいるもんで、相変わらずネット上で話題を提供してくれています。こういう人たちがいるうちは日本は安心なんでしょうか。ちなみに秋の夜長は、単に精神的にそう感じるだけだそうです。「秋の日は釣瓶落とし」というように、日々急速に昼間が短くなっていく。人間にはその変化が急すぎてついていけない、というわけです。念のため「釣瓶」は笑福亭じゃありません。

海外「日本の家紋カッケー!」 日本の家紋のデザインが外国人に大好評
パンドラの憂鬱
あーコレはいつか注目されるだろうと思っとりましたわ。確かに「家紋」のデザインには秀逸なものがある。うちのは「大根のぶっちがい」という農民の出がモロわかりのものです。桔梗とか四つ菱とか、そういうのだったらいいのになあ。明治期あたりのドサクサに、適当につけてる家紋もけっこうありそうなんだから、バカ正直に大根のぶっちがいなんてしなくても良さそうなもんです。


アゴラ編集部:石田 雅彦