起業家でい続けるために。ー小川浩( @ogawakazuhiro )

起業家にとって、会社というのはレーサーにおける車のようなものです。
社員はクルーです。車の調子が悪ければいくらレーサーの腕が良くても勝てない。車のメンテナンスがクルーの能力と情熱にかかっているように、会社のメンテナンスも社員の良し悪しにかかっています。起業家は自分が会社をどんなふうに仕上げて欲しいかの方向性を社員伝え、仕上げていってもらうのです。

つまり、起業家がするべきことは、資金を集め、よい社員にきてもらって、さらに自分のビジョンを正確に伝えること。さらにいうと、ビジョンの方向を変えることを恐れず、状況の変化を常に感じ取るセンスも必要ですが。


僕はいま、ジャーナリストの林信行さんとともにAppleとGoogleに関する本を書いている、と書きました。両社を観察すると、企業はリーダー次第だとつくづく感じますが、やはり考えるべきはリーダーシップの在り方の方です。

Appleは強烈なカリスマであるスティーブ・ジョブズのビジョンによって統率され、Googleは創業社によって定められたミッションステートメントによってカオスのような社内でも規律が保たれています。
繰り返しますが、いま自分たちが参加しているレースがどんなサーキットで、どんな天候のもとに、どんなライバルと闘うのかを理解してこそ、レーサーは自分のクルマのコンディションをどうして欲しいかをクルーと共有できます。起業家も、自分たちが狙う市場の動向と経済環境とライバルの存在を意識してこそ、社員にどう助けて欲しいかを伝えることができます。

夢を抱き、戦略を立て、社員とそれを共有する。
それが起業家です。

僕は最近、一人の起業家として、大きな決断をしました。
その内容は今日はここでは書きません。

しかし、僕の決断によって1人の社員も失うことなく、新しい成長の道を開くことができたことに小さな満足を抱いています。

ビジョンを失わず、柔軟さを保ち、良い社員に恵まれていれば、いつかは必ず大きな成功に辿り着く。そう信じています。
小さな成功や、安定した継続を求めるのではなく、より速く、より高いところを目指す。その野心を失ったら起業家ではないのですから。