かねてから噂があったように、ついにソニーとGoogleが提携しました。
ソニーはOSや、クラウド型のアプリケーションの開発は捨て、ハードウェアの開発とその販売面に全力を注ぐことになります。両者の共通敵はAppleです。
同時に、トヨタがEV事業でテスラと提携したのも衝撃です。
ソニーがクラウドコンピューティングおよびタッチスクリーン型のネット端末時代の、ソフトウェア技術をGoogleに依存すると決めた事実と同じように、トヨタもEVの命であるバッテリー技術をテスラに依存するかもしれない、ということだからです。
(注:バッテリー技術とは電池のことを指しているのではありません。下にも置いた(例えばこんな記事)のリンク先をご覧ください)
(もっともトヨタという会社はもともとヤマハのエンジンを採用したりして、他社の技術を買うことになんのためらいもないメーカーですが)
テスラは僕が注目している企業だと繰り返しお話させていただいていたベンチャーです。彼らはIT技術を駆使した次世代のクルマメーカーであり、僕の着眼が正しかったことをまた一つ証明できたことに、若干満足を覚えます。(例えばこんな記事)
トヨタとソニーが、自らの事業の基幹技術をアメリカのベンチャーに依存した(Googleはもはやベンチャーじゃないかもしれませんが)ことは、やはり時代が大きく動いたとしかいいようがありません。
僕の予想ですが、トヨタの決定は、彼らの業界内のプレゼンスを下げることにはならないと思います。もともとトヨタは、エンジン開発に対する思い入れが低い、日産やマツダ、ホンダとは明らかに違う企業だからです。彼らは組み立てメーカーであり、ある意味DELLに近いマーケティング会社であると僕は思っています。
しかしソニーの決断は長期的には裏目に出ると僕は感じます。IT事業はやはりソフトウェアが命だからです。まあ、トヨタとソニーが弱体化することは国益に大きなマイナスですから、僕の予想が外れてくれれば良いのですが。
いずれにしても、経営というものが国家間の戦争と同じく合従連衡の繰り返しであり、マーケティングはその意図を反映したものであることがこれで分かるでしょう。企業は生き残りを賭けて戦っています。GoogleとAppleの蜜月はこれで本当に終了し、かつての盟友は、いまや明確な敵として顕在化したわけです。
(マーケティングが企業間の戦争and/or政治の技術であるのは間違いありません。そういう激烈な戦いに巻き込まれない、牧歌的な幸福を享受できる企業ももちろん存在しますが)
コメント
ハードウェアも部品製造とアッセンブリが分業化されているわけで、ソフトウェアもプラットフォームとコンテンツが分業化されているように思えます。SONYの場合は、まだコンテンツの部分が残っているのでいいのでしょうが、こちらも、よくニュースでコンテンツ売却などの話題があがるので、心配ですね。
ソニーはすでに日本企業ではないので、グローバルスタンダートな戦略を取るでしょう。
トヨタは、アメリカで生き残るのなら、グリーン・ニューデイール(スマートグリッド)に参加する必要があり、その条件として
「部品の現地調達」「現地雇用」でしょう。
ステラ社の成功の方(ビジネスとして)を褒めるべきです。