インターネット業界では、中国貿易が過去に見たことないレベルで盛り上がっている。中国の検索サイト『百度』と日本の楽天と提携。そして、中国最大規模の貿易サイトであるアリババグループが運営するタオバオとYAHOO JAPANとの提携。
今まで、国際間取引と言えば、貿易商社が専門的に行っていた分野でしたが、インターネットによる情報公開が非常に便利になったこと、そして、国際宅急便であるEMSやクーリエサービスが非常に発展したことで、難しかった国際取引が、以前に比べて非常に簡単になった。結果、小口での国際貿易を促進させる結果になった。
日本の中小企業にとって 日本市場の抜け目の見えない不況感から、今、発展目覚しい中国市場への商品販売というテーマは、大きな期待感ある。
私自身、アリババジャパンからの委託事業で、『アリババ中国貿易講座』の専任講師として、日中間取引に関する規定と法律、また、貿易実務に関する講座を開いている。
講座は、毎回、満員という結果であり、講座受講者の多くが中小企業の経営者であるという事実がある。また、現在、東京のみで行なっている講座であるが、北は北海道、西は、九州からも受講者が、都内の会場に集まる。この状況を見ても、真剣に中国進出を考えている企業が多いことが理解できる。
先日、日本と中国とのネット販売について、打ち合わせをしたが、中国サイドで、個人輸入に関する細かい規定がない状態である。個人的な荷物に関しては、国際郵便では、US50ドル以上の商品が課税対象になるという話は聞いたことがある。しかし、実際には、中国の郵便局で開封検査になった際に、検査員の判断に任せるといった感じである。
今後、日中間取引で、国際小口郵便や、クーリエサービスなどを利用した簡易通関貿易が発展していくことは、十分予想できる。
しかし、急激に変化している国際貿易の流れに、中国側の法規定が後を追う形になっている。今後、日中間の個人取引などが促進すれば、新たな法規定が生まれることが予想できる。
小口での日中間の取引が促進すれば、中小企業、個人起業家などが参入しやすくなり、経済効果は、大きいと考える。正式通関をして、増値税・関税を支払う取引と比べ、簡易通関を行い、ほぼ税金を支払わない取引では、簡易通関のほうが、税制面で有利に見えるが、税務局から見れば、いつまでもこの状況を放置しているとは考えられない。しかし、日中間の小口の貿易業務が活性化し、中小企業の育成をするという観点から考えれば、中国における個人輸入に関する厳しい規定を設けない方が、いい結果を生み出すだろう。
■小谷まなぶの『中国貿易ビジネス奮闘記』ブログ