中国商材の調達についてー小谷 まなぶ

小谷 まなぶ

 中国で最も有名な展示会は、広州地区で行なわれる『広州交易会』それと、上海地区で行なわれる『華東交易会』である。中国の全土で、多種多様のビジネスマッチグの為の展示会が催されている。しかし、近年、それらの展示会は、以前に比べて活気がなくなっているというのである。


 展示会の中でも、特に、専門的な分野で、業者向けの展示会は、出展者側も、見学者も減少傾向が強く、活気がなくなっている。その原因は、企業情報が、アリババ等のB TO Bのマッチングサイトで、情報を得ることが出来るようになり、わざわざ、展示会まで足を運ぶ必要がなくなったからである。
 私自身も、1997年から上海に在住し、長年、貿易業に携っているので、このような変化は、実感できる。
以前は、取引先のメーカー検索といえば、展示会会場にアテンドして、通訳しながら、一軒、一軒、ブースを廻り、取引先を探して歩いたものだった。
2006年を過ぎたころから、日本からのお客様も、アリババなどのマッチングサイトを利用して、取引先の選定を済ませてから、詳細の打ち合わせをしたいと言う事で、中国側の取引希望業者のホームページのURL、商品品番などを伝えてきて、問い合わせして欲しいという依頼が増えてきた。
インターネット検索による商取引が、意識的にかなり進んできたことが言える。しかし、中国のローカルメーカーがインターネット経由で検索可能になったからと言って、実際の取引も、インターネット上のボタン一つで取引できるのかと言えば、現状は、そうはできない。
 日中間のインターネット取引を促進したいというIT業界の思いがあるが、現実は、国際取引に関する規定の壁があり、簡単にことが進まないという壁にぶつかっている。情報としては、検索できるようになったことは、事実であるが、実際の取引を促進するために、日中間の貿易規定をユーザー側が学ぶ必要性がある。今後、日中間のビジネス規定に関する教育システムの構築が急務になるだろう。そうしなければ、日本のIT業界が考える日中間取引の促進には、繋がらないことが言える。


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