MIAU3周年にて思うこと

小寺 信良

昨日はMIAU3周年記念イベントだった。集客が心配されたのだけど、最終的には講演は満席、ニコ生は12000人ぐらいののべ視聴者にお越しいただいて、ほっと胸をなで下ろしている。


冒頭挨拶をさせていただいたのだが、MIAUの語源をスでど忘れしたのには焦ったが、なんとかリカバーできたんじゃないかと。そのあせりっぷりはタイムシフト視聴でご覧ください。

以下挨拶のために用意した原稿を掲載し、支えてくださっている皆様への感謝の言葉とさせていただきたい。

記念講演に先立ちまして、私の方から簡単にご挨拶をさせていただきます。

私どもMIAUは、2007年10月に任意団体として発足しました。MIAUとは「Movements for the Internet Active Users」の略称で、当時の日本語名は「インターネット先進ユーザーの会」という名前でありました。それから2年目には中間法人、そして3年目には一般社団法人となり、現在のインターネットユーザー協会となっております。

私どもの活動は、インターネットに関わる諸問題をよりよい形で解決し、インターネットの自由を守っていこう、とするものであります。インターネット規制にはなんでも反対する団体のように思われているかもしれませんが、そうではありません。

発足いたしました3年前は、まだインターネットユーザーの視点で利害関係を代表できる団体がありませんでした。ネットの自由に価値があることがあまり認識されておらず、ネットは無法地帯であると思われていました。当時インターネットは、リアルな社会とは別の、バーチャルな社会であると大まじめに言われていたものです。

我々が活動してきたのは、適正にネットを利用しているものに多大な負担を与え、不適切な利用者に対してはほとんど効果のない法規制が行なわれようとしていることに対して、それは効果がないからもっとうまい方法を考えましょう、ということであり、そのスタンスは今も変わっておりません。

しかしこの3年で、社会の方が状況が大きく変わりました。ネットの情報流通が現実社会に大きな影響を与えるようになり、ネットと現実社会が別のものであると考える人はずいぶん少なくなったように思います。

個人個人が意見を述べるメディアを持つようになり、議論の時代がやってきました。そして誰もがよりよい社会を実現するために発言し、いいアイデアならそれが認められる時代、そういう時代に私たちはさしかかろうとしています。かつて各家庭に電気が引かれ、家事が電化していった時代、一家に一台の自家用車という夢が実現し、行動範囲が大きく広がった車化の時代、そしてそれと同じスケールの変化として、知恵と知識を共有する情報化の時代に、まさに私たちは今、さしかかろうとしているわけです。

この大きな変化に対して私たちは、ネットの自由という価値を再認識し、よりよい社会実現のためにこれからも努力して参りたいと思います。これまでも皆様方からたくさんのご支援をいただき、ここまでやって参りました。これからも皆様のご支援をいただかなければ、立ちゆかないことも多かろうと思います。どうぞこれからのMIAUの活動に、変わらぬご支援をいただければ幸いです。

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