5年ほど前に義父が、「国力とは人口だ、人口が少なくなっていく国に明るい未来などない」と言い、「フランスのように劇的な少子化対策を取らないと日本はダメになる」と語っていた。
・・・・・アゴラか!と思った。
それから5年経ったら至る所から、日本の財政破綻の可能性に関して聞こえてくるようになった。そんな義父は千葉の酒々井市に住んでいるのだが、隣の佐倉市との合併の話しが出たときに両手を挙げて賛成していた。
いわく「国の財政が赤字なんだから、地方行政はどんどんスリム化して、コストを削減しないといけない。市や町などは積極的に合併して、そのコストを減らすべき」と至極まっとうなことを言っていたのだが、住民投票で結局合併は実現しなかった。
そのとき彼は「みんな短期的な利得ばかり目がいって、長期的な利得なんて考えもしない!」と怒っていた。
今、既得権を握っている人たちはあと10年、あわよくば20年くらい安泰だったら、どうでもいいと思っている。そうとしか思えない展望のなさだ。
短期的な利得、今の日本の政治を要約するとその一言で言い表せるのではないだろうか。根本的な改革などせずに、お茶を濁した政策(子ども手当、事業仕分けパフォーマンス)を次々と出し、人々を騙そうとしている。
そんな上の世代から団塊ジュニアの世代である自分たちが色々なことを引き継がないといけない。池田先生の「希望を捨てる勇気」ではないが、我々に残された選択肢は極端に少ない。
国の政策に頼らず出来ることと言えば、海外就職、起業くらいだろう。そのどちらも人々にはとっての敷居は恐ろしく高い。そして、だからといってこのまま沈むゆく船に黙って乗っているのも賢い選択肢とは言えない。このようなジレンマをもっと若い世代は抱えて、就活活動に励むわけだから、希望も何もそこには残っていない。
「より良い明るい未来を残すためにはどうすればいいか?」それはもちろん「下の世代に見本となるような姿を自分自身が指し示す」ことにほかならない。そして、このことを自分たちに肝に命じつつ、もっと上の世代について、この視点から厳しい批判を繰り返すしかないだろう。
「見本を見せてくれ」と。
株式会社ワンズワード 代表取締役 松岡 祐紀 ブログ