2月6日の名古屋トリプル選挙は日本政治の分水嶺

山口 巌

愈々、名古屋で、名古屋市長選、愛知県知事、そして市議会解散の是非を問う、「トリプル選挙」が実施される。

河村前名古屋市長は、効率的な市議会、行政に拠り減税可能と従来より主張されている。あるべき地方都市の理想像ではないか。自立した、効率的な強い地方都市が出来れば、地方分権の受け皿と成る筈だ。

此の視点から、今回実施される、2月6日の名古屋トリプル選挙は、日本政治の分水嶺と位置付けて良いのでは無いか。

菅政権は、内輪揉めの陥穽に陥り、国家を統治出来なく成って居る。正に、我々国民が目にしているのは、あるべき統治の不在と漂流を続ける、日本と言う国家である。

内輪揉めの原因は、所謂、小沢議員の「政治と金」であるが、既に多くの識者、論者が指摘している通り、此れは、政治資金報告書の記載ミスと言う事務手続き問題に過ぎない。

既に、検察審査会に拠り、強制起訴された訳で、後は小沢議員が繰り返し説明する通り、司法の場で無実を証明すると言う事が全てであろう。

民主党としては、大騒ぎする事無く、同志である小沢議員の無罪を信じ、静観を決め込むとと言うのが、取るべき姿勢の筈である。

アメリカの格付け機関に拠る、日本国債格下げのニュースに対し、菅首相がその件に就いては「疎い」と答えた事が、随分と非難の対象に成った。

別に、言葉尻を捉える積りは毛頭無いが、菅氏や菅氏の取り巻きの方々、大事な事全てに対し「疎い」のでは無いか。

チェニジアに続くエジプトの反政府運動が連日ニュースに成って居る。イエメンにも飛び火する筈だ。菅首相他、世界地図の何処に、此れらのイスラム諸国があるのかさえ理解出来て無いのではと危惧する。

仮にエジプトでムバラク大統領退陣の後、イスラム原理主義者の「イスラム同胞」が政権を取り、神の名に於いて、スエズ運河の遮断の如き、暴挙に及んだら一体どう対処するつもりだろう。日本の通商は大打撃を受けると思うが。

本来、無能で使い物に成らない事がはっきりした、現政権に取って代り、自民党が政権奪取する事を、国民が期待するのが道理である。しかし、どうもそう言う空気には成って来ない様である。

自民党の本質が、利益誘導であり、財政再建を、目下の急務とする現在の日本に取って、最も政権を担当する政党としては相応しく無い事、国民が見抜いているからであろう。

此の、日本の閉塞状況を、打破出来るのは地方分権しか無いと思う。此の為のマストは、強い地方都市、成功した地方都市の存在に他ならない。

その意味で、2月6日の名古屋トリプル選挙で、河村前市長が大勝利を飾り、市議会の解散が市民に拠り承認される事を期待する。

そして、河村新市長にはトヨタやデンソーと言った、世界企業を支援し、それに拠り、名古屋市を更なる繁栄に導き、市民に取って、日本で一番税金が安く、日本で一番充実した行政サービスを享受出来る市にして欲しい。

此れこそが、他の都市が、そして日本が国として目指すべき姿であるからであり、あるべき地方分権を推し進める機関車と成るからである。