BBCが報じる所では
ドイツのメルケル首相は15日、福島第1原発の事故を受け、国内にある17基の原発のうち、1980年以前に稼働を開始し、老朽化した可能性がある7基について、運転を3カ月間停止し、安全性を点検すると発表した。点検後の対応については、結果が出てから判断するとしており、安全性に問題のある原発が見つかれば、早期に閉鎖する可能性もある。同首相はまた、再生可能エネルギーへの転換を急ぐ方針も示した。
との事である。個人的な印象であるがドイツは今後原子力発電から撤退するのではと思う。
誤解を恐れず判り易く言えば、元々どうするか迷っていた所を今回の日本の事故がどんと背中を押したと言う所ではないだろうか?
ドイツはBBCのここ2年の調査で、世界に対し最も良い影響を与えた国に連続して選ばれてる。従って、今後世界、殊に先進国の原子量発電所の新規建設にドイツの選択は重大な影響を与える筈だ。
翻って日本では、今回の事故により新たな原子力発電所の建設は絶望的と思われる。地区住民が大反対するからだ。電力会社が原発の安全性を説明しても、こういう事故が起こってしまっては何の説得力もない事は明らかだ。
ここで問題になるのは、国の電力政策が原子力発電ありきで策定されている事実である。
1980年と2018年を比較すれば明らかであるが石油による発電が大きく割合を下げ、代って原子力発電と石炭火力が比重を増やしている。
恐らく政情が不安定な中東に原油供給の90%を依存する日本としては、カントリーリスク軽減の観点でかかる政策になったものと推測される。
チュニジアから始まったジャスミン革命に触発された民主化運動は、結果サウジアラビア、バーレーンのシーア派、スンニ派の宗教対立に迄発展しており、間違った選択とは思えない。
今回の震災は1,000年に一度のものであり、政策当局の想定外であった事は事実である。それはそれで理解するにしても、問題は今後をどうするかである。
日本は省エネをどう進めるのか?
原子力発電で予定した電力を石油以外の何で賄うのか?
これらを、しっかり考え、早急に市場に向けてメッセージを出す必要があると思う。
市場は決して怒鳴ったりしないが、メルトダウンと言う形で意思表示するからである。
山口 巌
コメント
なぜ、少なくともNHKラジオで、一度も「原発がだめなら何にする」という議論が聞こえてこないのでしょう。
そしてここで、最も重要な問題があります。震災による原発災害がなくても重大な、人類全体にとって死活の問題です。
「風力・太陽光・太陽熱発電は、石油の無駄である。
設備を作るために使われるエネルギー、石油のほうが、その設備が作るエネルギーより大きい。その石油を火力発電所で燃やすべきだ」
反温暖化論者など、一部で常に言われていることです。
変形として、
「エネルギー収支比が2では話にならない、100でないものは文明を支えるエネルギー源ではない」
「不安定な自然エネルギーは、その不安定をフォローするための火力発電所を必要とする。まったくの無駄だ」
もあります。
洋上、特に吼える40叫ぶ50絶叫する60と言われる高緯度の強風や上空のジェット気流の風力資源、また宇宙太陽光発電も考えるべきでしょう。
とにかく、まずエネルギー収支比問題を徹底的に追及すべきです。
今回の事故はまだ検証の段階ではありませんが、それでも対策を考えると、「地震が起こった段階で停止に向け即座に対処する」ことではないでしょうか?津波がくるまでに停止できればいいわけです。
その方法、勝手に妄想します。「通常より原発の電気を一部用いて液体窒素をプールしておき、大地震を認めた際には即座に投入する。」です。
もちろん実験が必要ですし、窒素を逃がす弁がいりますが、水素も酸素も出ませんし、万が一、窒素が外部に拡散しても今回ほどの影響は生じないのではと思います。燃料棒が犠牲になるかもしれません。マイナス-190まで下げなくてもよければ本体が温存できるかもしれません。
現在トラブル進行中でありことは重々承知しています。、不快に思われるようであれば誤ります。「阿呆の戯れ言」と笑い飛ばしてください。
原子力エネルギーの代替が思いつかないです。それにこれは日本だけではなく世界中の問題ですし。新興国などでも多くの原発の建設が予定されていますが、あれらが無いことになったら、世界成長に大きな影響を及ぼしますね。それも今回の事故の結果次第では仕方がないことなのかもしれませんが。
テクノロジーの進歩が、原子力をより安全な、コントローラブルなものにする可能性はもうないのでしょうかね?今回の大事故が、まだ収束にいたっていないのでなんとも言えませんが、事後的にチェルノブイリなどの過去の事故と、その被害の規模が比較されることでしょう。そしてその差の部分が、結果的には技術の進歩の部分であったということになるのでしょうが。
原子力発電はオールド・エナジー、冷戦時代の産物。
プルトニウムを持ちたいという軍事的目的が日本政府の電力政策を原子力発電ありきにしており、非核三原則とリンクしている。原発はコストパフォーマンスが最悪な発電であり、半減期2万4千年の管理コストを計算することは不可能。一刻も早く終焉させるべきです。