Google+はソーシャルネットワークとして、史上最短でユーザー数1000万人を突破しました。
ソーシャルメディアに限らないのですが、FacebookやTwitter、AppStore、Android Marketなど、さまざまな巨大プラットフォームがネット環境には存在しており、やり方次第では一夜にして膨大な数のユーザーを集めるサービスを作ることが可能になってきています。
10年前には広告メディアとして成立するには10万ユーザーの獲得がスタートラインでしたが、現在では逆に少なくとも100万人、いや1000万人以上のユーザーがいなければトップサービスの仲間入りをすることはかないません。
Google+は、ある意味後出しジャンケンだから、FacebookやTwitterのいいとこ取りをしています。例えばインターフェイスは基本的にFacebookそっくりですが、ソーシャルグラフのつくり方はTwitterのやりかたを踏襲していて、Facebookやmixiなどのソーシャルネットワークのように相互承認が必要な双方向的な友人関係ではなく、相手の承認なくフォローすることによって一方通行的な人間関係の構築を狙っています。現実的には「僕は彼を知ってるし尊敬もしているが、彼は僕をよく知らない」という関係性は実に普通に成立しています。
Twitterが普及した最大の要因はこの人間関係の成立条件の「ゆるさ」であり、その「ゆるさ」が、Twitterの会員同士に、あまり濃密な関係ではない、ライトな距離感を与えたといえます。だからソーシャルグラフそのものの質はFacebookやmixiのそれと比べて、それほど高くないのですが、つながっていく速度がとても早いのです。
Google+はこのTwitterのゆるくライトな人間関係の距離感を採用したうえで、さらにサークルという機能で人間関係の距離感にタグ付けをしようとしています。
ただ、このGoogle+がFacebookに勝てるかというと、それは分からない。そもそもGoogle+は、Facebookの驚異的な伸長に半比例して落ちていくGoogleのトラフィックエンジンとしての価値をこれ以上損ねないための方策であって、Facebookそのものを追い落とすためのサービスではないからです。
つまり、Google+とは、Google自身が、自らのビジネスモデルをソーシャル化するために作ったサービスであり、自分たちがソーシャルメディアになろうというよりは、自分たちのサービスをソーシャル化することを目的にした”機能”であると考えるべきなのです。
世界最強のインターネット企業であり検索エンジンを見事なトラフィックエンジン&マネタイズエンジンに変えてみせたGoogldeでさえ、自らをソーシャル化する。そういう流れがきているのです。