フリーの時代を生き抜くために:動画見放題サイトから見る未来

松岡 祐紀

アルゼンチン発の動画見放題サイト「CUEVANA(ケバーナ)」をご存知だろうか?仕組みは、各ユーザーがアップした動画リンクを集約してインデックス化し、CUEVANA自体のサーバーには一切違法コンテンツはアップされていない。よって、法律的には非常にグレーなサービスではあるが、すでに月間1500万ユーザーを獲得している。(日本でも似たような数多くの動画おまとめサイトがあるが、この規模になると未だ存在していないのではないだろうか)

サイトを覗いてもらえばよく分かるが、最新の映画やドラマが見放題である。また特にダウンロードする必要もなくストリーミングで見れるので、便利この上ない。周りのアルゼンチン人、外国人のほとんどはこのサイトを利用して映画を見ているのがここアルゼンチンの現状だ。

先日、CNNがCUEVANAの創業者である22歳のエスコバル氏をインタビューした。このインタビュー記事を読む限り、新しくラテンアメリカでサービスが開始された月間約9ドルで動画見放題のNETFLIXのようなサービスではなく、米国版HULA(フーラ)のようなCMを挟んで動画をストリーミングする広告ベースの無料サイトを目指していることが伺える。


すでに月間1500万ユーザーを獲得しているエスコバル氏は強気だ。多くのユーザーを味方につけたものが、最終的に生き残るということは彼は熟知している。日本はWinnyという当時、世界最先端の技術のファイル共有ソフトで、この分野のトップに立っていたが、それを法の名の下に潰してしまった。(先日、最高裁で無罪が確定しただけに、なおさらこの機会損失が痛い)

”フリー”と叫ばれて久しいが、映画を含めたコンテンツ業界もその脅威にすでに長い間さらされている。結局のところ、今までのマネタイズの方法が通用せずに、今後何か新しい方法を考えないといけない時期に来ているのだろう。

音楽はiTuneでの楽曲販売、またSpotifyなどのストリーミングサービスなどCDアルバムを売る以外の方法で収益をなんとか確保しようとしてきた。(AKE48もその意味では画期的なマネタイズの方法だと言える)

映画業界も同じような道を辿ることはまず間違いない。

雨後の竹の子のように次々と出てくる動画見放題サイトをすべて取り締まるのは不可能だ。そのようなことに時間とお金を使っていないで、それを踏まえた方法を考え実現していくしか生き残っていく道はないのだろう。

近い将来、Cuevana日本版のようなサイトが出てくるだろう。そのとき日本はどのように対応していくのか今から楽しみだ。Winnyのときのように必死に潰しにかからないことを祈るばかりだ。

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