池田先生の大学教育を否定する、ユニクロ「大学1年4月採用」の衝撃を拝読。良記事と思う。世の中は、就活問題をずっと話題にしているが、どうも関係者一同、真面目に解決する気があるのかと、疑問を感じていたが、この記事で解決の方向が見えて来たのではないか?
それでは、一度原点に帰って、就活問題とは一体なんであろうか?
一般的な認識としては、大学生が意中の企業に内定を得る事が出来ないと言う事であろう。
それでは何故そうなったかである。勿論、ベースとして雇用が減少し、労働市場が職を求める新卒者を吸収出来ないという、物理的要因はある。しかしながら、幾つもの一流企業に内定を得ている学生がいるのも一方の事実である。
お叱りを覚悟して判り易く説明するならば、新聞の折り込みチラシ程の価値もない大学の卒業証書を、まるで何か価値があるかの如く見せかけ、学生から高額な授業料を巻き上げる、現在の大学がやっている悪徳商法に問題があると考えている。そして、監督官庁の文部科学省はこの悪徳商法の用心棒である。
今回のユニクロ「大学1年4月採用」の決定は、大学の卒業証書が如何なる価値も伴わない事を、改めて世の中に宣言したに過ぎない。
大体、普通の頭で考えて、高校時代大して勉強もせず、三流大学に進み、お決まりのサークル、飲み会そして恋愛という、まるでギリシャ神話のキリギリスみたいな怠惰な生活を送って来た学生が、就活という冬の季節を迎えれば野垂れ死にするのは世の摂理である。
ユニクロの決定を機に、現行の大学システムはリセットされるべきではないのか?
具体的には、大学を本当の大学(従来同様大学と呼ぶ)と大学モドキに分類すればどうだろうか?
判断の基準は、依然紹介した ちきりん氏の表が判り易いと思う。
この表では四分の一に過ぎないが、人数としては圧倒的に多いと思う。この部分が、私が言う大学モドキであり、通学するのは大学生モドキである。本当の大学、大学生とは本来、きちんと仕訳して理解、対応されるべきなのである。
現行の大学システムが、リセットされる事になれば、必然的に、能天気に大学モドキに卒業生を供給している、高校の在り方も問われる事になる。高校に寄生する教育委員会の見直しも議論される事になるであろう。
山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役
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