朝日新聞がスタンダード・アンド・プアーズによるEFSFの格下げを報じている。
米国格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は16日、欧州の財政危機の国を支援する欧州金融安定化基金(EFSF)の長期信用格付けを最上位の「AAA」から「AA+」に1段階下げると発表した。EFSFが市場からお金を借りる金利が上がれば、ギリシャなどの今後の支援態勢に大きな打撃となりそうだ。 EFSFは、ドイツやフランスなど最上位の格付けをもつ欧州の6カ国が返済を保証して、市場からお金を集め、危機に陥った国を助ける仕組み。だが、S&Pは13日、6カ国のうちフランスとオーストリアを格下げしたことに伴い、EFSFの信用力も下げた。 S&Pは、フランスやオーストリアが今後もっと格下げされれば、EFSFの格付けもさらに下げる可能性があると警告した。
日本国民が知りたい内容を、何一つ伝えていない事に改めて驚く
迷走の止まらぬ安住財務大臣で厳しく批判した通り、元々日本はEFSF債券の如き損が確実な債権等購入すべきではなかったのである。
しかしながら、買ってしまったものは最早しょうがない。今大事な事は、現状をきちんと認識し、損を最小限に食い止める事ではないか?
国民が理解すべきは、EFSF債券購入の原資が何も空から降って来た訳ではなく、短期国債という名の国民の借金で賄われている事実である。そしてこの借金を返済する為の原資として、消費税の増税が議論されている訳である。
今回のEFSF格下げを機会に、野田内閣は下記をきちんと国民に説明すべきである。
「そもそも、リスク満載のEFSF債券を如何なる理由で購入したのか?」(国会で議論したとも思えない)
「EFSF債券の残高と購入価格及び現在の市場価格」
「損失額の概算」 ※為替差損だけでも既に目の玉が飛び出る程の損失では?
「朝日新聞はEFSFの更なる格下げを伝えているが、それでは更に損失が拡大する。これをどう捉えているのか?」
「これ以上、損失を膨らませぬ為、出来るだけ早いタイミングで「損切」すべきではないか?」
「「損切」しないとすれば、その理由は? ※財務省の失敗を隠匿する為としか思えないが」
EFSF債券購入による損失などは氷山の一角に過ぎず、マスコミが報道しない事で国民の眼に触れない「税の無駄使い」は無限にあると想像する。
そして、野田内閣はこの問題にメスを入れる気はあると思えず、帳尻合わせの為に消費税増税に前のめりになっている。
まるで、アルカイダの下っ端が腹巻の中に爆弾を隠し、ジハード(聖戦)を叫びながら市民が買い物をする市場に突入する様な迷惑極まりない話としか思えない。
山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役