センター試験について問題点が多いことは、さきほどの記事で指摘した。
その解決策としては、小黒氏や山口氏が指摘するよう、民間委託という手段をとるのも、1つの方法だと思う。
私はそれよりも、新たな共通試験試験に民間が参入することを提唱したい。
全国規模のテストというものは、すでに大手予備校などが手がけている。現状でも、民間に全国統一テストのノウハウがないとは思えない。参入しようと思えば、多少の問題は起こるかもしれないが、すぐにでも参入できると思われる。
まず最初は、私立大学が中心に参加すればいい。早稲田大学と慶応義塾大学が参加できれば、それなりの数の受験生を確保できるだろう。
現在の私立大学は、受験機会を増やして、できるだけ沢山の学生に受験してもらい、入学者を増やすことを期待している。センター試験への私立大学参加が増えたのも、センター利用だと、受験生の受験負担を増やすことなく、容易に出願してもらえるという意向が強い。私立大学が新しいセンター試験に参加する可能性は、受験機会が増えることになるので、大いに期待できる。
前の記事に書いた試験監督の問題も、私立大学の職員に監督を依頼し、受験会場で試験後に学校説明会を開く権利を与える、というような方法を取れば、無料で監督を引き受ける大学も沢山出てくるだろう。
問題作成に関しても、多分であるが、センター試験の作成をする先生は、一生に一度位しかセンター試験型のマークテストの作問はしないのではないだろうか。予備校であれば、マーク式模試の作成は、年に何度もやっている。どちらが適切な問題を作成する能力があるかといえば、現状より予備校であろう。
センター試験の民間委託というのも1つの方法であろうが、競争により創意工夫させる方が、よりよいものが生まれると私は考える。また、私立大学の賛同を得られればという前提付きだが、民間委託よりも新規参入の方が、実現しやすいのではないだろうか。
各私立大学の関係者、特に早稲田・慶応あたりの方々には、是非考えて頂きたいものだ。
前田 陽次郎
長崎総合科学大学非常勤講師