もう一度まとめておこう、竹島が日本領である理由/従軍慰安婦の旧日本軍による強制連行はなかったという事実 --- 片山 さつき

アゴラ編集部

八月二九日、参議院本会議において、李明博韓国大統領の竹島上陸と天皇陛下に関する発言に抗議する決議を採択しました。その決議文は以下の通りである。

島根県竹島は、歴史的にも国際法の観点からも我が国固有の領土である。韓国は、一九五二年、いわゆる「李承晩ライン」を国際法に反して一方的に設定し、同ラインの内側の広大な水域への漁業管轄権を一方的に主張するとともに、そのライン内に竹島を取り込んだ。
こうして、韓国は、竹島を不法占拠し、施設構築等を強行してきた。韓国が不法占拠に基づいて竹島に対して行ういかなる措置も法的な正当性を有するものではなく、決して容認できない。
そして去る八月十日に李明博韓国大統領が竹島に上陸した。我が国はこのことを強く非難するとともに、韓国が竹島の不法占拠を一刻も早く停止することを強く求める。また、我が国政府は、断固たる決意と毅然とした姿勢で韓国政府に対し、然るべき対応を取り、我が国が一丸となって、竹島問題について効果的な政策を立案・実施するべきである。
さらに、八月十四日、李明博韓国大統領は、天皇陛下の韓国ご訪問について極めて不適切な発言を行った。友好国の国家元首が天皇陛下に対して行う発言として極めて非礼な発言であり、決して容認できないものであり、発言の撤回を求める。
韓国は、我が国にとって安全保障上、経済上も重要な隣国であり、韓国国民と親密な友誼を結んでいくことがアジア太平洋地域の繁栄と安定に繋がるものである。そのためにも、李明博韓国大統領をはじめとする韓国政府が賢明かつ冷静な対応をすることを強く求める。
右決議する。


従軍慰安婦の旧軍による強制連行がなかったことについては、以下のとおりである。

一九六五年の日韓基本条約において、五億ドルの賠償を支払う等により、日韓間の戦争に拘わる賠償は最終的に解決されました。時の李承晩大統領は、「反日」政策で有名ですが、日本への要求リストに「従軍慰安婦」はありません。戦争で徴用、徴兵された人々に対する補償は、同条約で解決したのに慰安婦は、話題にもなかったという重要な事実があります。

一九八三年に吉田清治という日本人が「私の戦争犯罪-朝鮮人強制連行」という本を出し、「軍命令で済州島に行き、若い未婚の女性等を連行した」と名乗り出た。八九年にこの本が韓国語に訳され、現地新聞が取材したが、住民は「そんな事実はなかった。吉田氏は嘘をついている」と証言。九一年にNHKも現地取材したが「軍に連行された」人も一人もいなかった。九一年八月十一日付けの朝日新聞が金学順氏を取り上げ、「「女子挺身隊」の名で、戦場で連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた。」と報じた。しかし、金氏は韓国向けの会見では、「貧しさのため母親に40円でキーセンに売られた。自分を買った義父に連れられて日本軍慰安所に行った」と証言しています。彼女は日本政府相手に訴訟を起こしていますが、訴状にも「親に売られた」と書いています。この記事を書いた植村隆記者の妻は、韓国人で、その親は日本政府相手に裁判を起こしている遺族会の幹部でした。

九二年一月に朝日が報道した「軍の関与」とは、なんと「慰安婦募集業者がトラブルをおこさないように取り締まること」でした。

日本政府は、一年近く調べたが、慰安婦を権力によって強制連行したという文書は出てこなかった。

韓国ソウル大安乗直教授は、名乗り出ていた40人の「慰安婦」の聞きとり調査を行い、「権力による連行は証明されていない」といっている。

九三年八月の「河野談話」では「本人の意志に反して連行が行われている」とされたが、日本軍が強制連行したと書いてはいない。慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話は、以下のとおりである。

いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。
 今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
 なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
 いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。
 われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
 なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。(平成5年8月4日)

「官憲等による関与はあった」という部分は、インドネシアでオランダ人捕虜を数週間売春させ、これを陸軍が処罰し、担当者は死刑になっている。いずれにせよ、韓国の話ではない。

九七年に、日本国内で歴史教科書も慰安婦問題が取り上げられたときに、朝日が、九一年に「軍関与の資料発見」と報じた調査を行った中央大学の吉見義明教授は、TV番組で「朝鮮半島で権力による慰安婦の強制連行があったと証明されていない」と発言している。

二〇〇六年になって当時の安倍総理は国会で「強制連行は証明されていない」と答弁しました。

野田首相も、八月二十七日の参院予算委員会で、河野談話を「踏襲する」としながら、談話が出た経緯を「強制連行の事実を文書で確認できず、日本側の証言もなかったが、慰安婦への聞き取りからできた」と説明しています。

参議院議員
片山 さつき