最近の風俗問題を考えてみる(1) --- 木曽 崇

アゴラ編集部

タイトルを見て、「アダルト産業の投稿が読める!」と勘違いした人、光速でブラウザの「戻る」ボタンをクリックして、Google検索ボックスに「アダルト」と入れてエンターキーを連打してください。

ここでいう風俗問題とは、現在巷で多数発生している「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(通称:風適法)に関連する事案のこと。この風適法に関する諸々の論議ですが、初期の混乱状態を超えて、何となく次のステージへと突入してゆく段階に来たかなぁという状態でありまして、ここらで中間報告的に論議を纏めてみたいと思います。


第一に、これは以前もどこかに投稿したことがある気がするけれど、最近世間を賑わしている以下のような様々な報道は、実はすべて同根の現象です。

ソーシャルゲーム業界規制
「景表法以外での規制についてはコメントを差し控える」松原国家公安委員長

サイバー犯罪対策
警視庁が「2ちゃんねる」関係先を家宅捜索

クラブ摘発
人気クラブの経営者逮捕で衝撃広がる “踊る・ダンス”の基準に疑問の声

雀荘摘発
全国で雀荘 社長逮捕へ 府警、客に賭博させた疑い


詳細はリンク先を読んで貰うとして、要は現在の警察行政のトップ2が奇しくも生活安全局と呼ばれる特定の部局の出身者で占められておりまして、そもそもは「出世コース」ではなかったハズのこのポジションに俄かにスポットライトが当たった事によって、トップ2が大奮闘。それに関連する分野が絶賛摘発強化中であるという状態です。先日出演したニコ論の風適法トークセッションで、コーディネータを勤めた磯部涼氏がこの状態を「要するに警察がイキっちゃってるワケですね」などと表現していましたが、下世話な表現でいえばまさにその通りであります。

そして、その象徴とも言えるのがここで話題としている風適法で規制されている様々な産業の一斉摘発であり、中でも最近、最もニュースとなっているのはダンスクラブの摘発事案でしょうか。2010年、大阪アメリカ村のクラブに対する一斉摘発から端を発した一連の摘発は、京都、名古屋、福岡と全国の都市に飛び火し、現在、とうとう東京にまで至っているという状態。関係者は戦々恐々としているワケです。

【速報】渋谷、円山町のクラブが一斉摘発
http://buzzap.jp/news/20120915-maruyamacho-club/

但し、摘発食らっているクラブ業界側に問題があるのは事実でありまして、「そもそも」論的に言えば本来風適法に基づいて営業許可を取得すべきのものを、数十年に渡ってずっと疎かにしてきたのは業界側。フタを空けてみたら、殆どの業者が無許可営業状態にあるワケでありまして、その部分に対する批判は免れません。「今まで見過ごして来たくせに」とか「何で自分だけ」とか、色々と言いたい気持ちは理解できますが、スピード違反で捕まった時にその種の主張をしたところで何の言い訳もならないワケで、そこは唇を噛み締めながら素直にお縄を頂戴するしかないワケであります。

とはいえ、このままで良いかというと、私自身も良いとは思っておりませんで、次回以降すこしその辺について纏めて行きたいと思います。

つづく

木曽 崇
国際カジノ研究所 所長