芸能音楽ビジネスは、基本的にレコードやCDの売上げで成り立ってます。歌番組へ安いギャラで出たり芸能雑誌で宣伝するのもすべてはソフトのコピーを売るためだったんだが、これらのコピービジネスはデジタル化ですでに陳腐化し、レコードやCDが売れなくなったし電子配信も頭打ちです。しかし世の中には、売れないアイドルを十把一絡げに集めてプロデュースし、自分が作詞した歌を歌わせ、CDにある種の付加価値をつけ、枚数だけならなんとか大量にさばけるシステムを作りあげたアタマのいい人がいます。
このビジネスモデルでは、音楽出版も自分のところにしてるんで、これにより著作権料や原盤収入のほとんどを手にすることができる。たとえば「2012年JASRAC賞は上位3曲がAKB48であり、さらに作詞者は3曲すべて秋元康氏であり、音楽出版社はAKB48の本隊であるAKS、ということになっています。
アイドルらが所属する芸能プロダクションへ支払われる歌唱印税は微々たるものにしても既存芸能プロダクションとしては干天の慈雨だ。これは音楽ソフトが売れない時代のこれまでにない利権構造であり、従来なら音楽出版権をもってるテレビ局や原盤権をもつレコード会社へ吸い上げられていた収益をほぼ独占できる。しかし、そもそも業界全体が衰微し始めてるんで、まともな音楽番組さえ編成できないテレビ局や売上げ激減に苦しんでるレコード会社も渡りに船です。
一方、この「Blog vs. Media 時評」では、マイボイスコムのアンケート調査をもとに、この8年の推移で「一カ月あたりに音楽にかける金額」が「ゼロ円」という人の割合が、約54%から約68%へ増え、さらに危機的なのは「一カ月あたりの音楽ダウンロードの利用金額」調査で「一年以内にダウンロードしていない」と解答した人がこの2年間で約32%から約44%にまで上昇している、と書いています。この元調査によると「音楽を聴かない」と答えた人も2005年11月の5.5%が2012年10月には12.5%に増加している。
このブログでは、AKB48の人気と反比例するように音楽配信ビジネスが凋落していく、と書いているんだが、まさにその通りです。AKB48型アーティストの跳梁跋扈で、いったいどんなことが生じるのかといえば、質を考えずに付加価値をつけただけの音楽コンテンツばかりがランキングの上位を占めるようになります。その結果、アイドルと握手したり総選挙で投票することに興味のないほとんどのファンは、こうした音楽から距離を置き始め、さらにCDが売れなくなり音楽が聴かれなくなる。
これは芸能プロダクションを含めたレコード会社や著作権管理団体といった関係者のためだけのビジネスモデルであり、既存の音楽ファンは完全に置き去りどころか無視されています。長期凋落へ進んでいる音楽業界で、最後に咲いた徒花がAKB48型ビジネスモデル。自ら脚を食べるタコみたいなもんです。
で、表題の記事では、ついにというか遅まきながらというか、ソニー・ミュージックがiTunes Music Storeへ配信を始めたことを紹介している。AKB型ビジネスに顧客資源を食い散らかされている時代、背に腹は代えられない、というわけです。こうなったきっかけが小室哲哉氏のTwitterつぶやきだったそうなんだが、あんなにCDを売った小室氏が人生の陥穽へハマり借金苦に陥っている、ということ自体、時代の変遷と同時に音楽業界のダークサイドを象徴しています。
TechWave
小室哲哉氏の呼び掛けが現実に?! ソニー系の邦楽がiTunes Storeで配信開始
スズキ、米国での四輪販売から撤退=二輪車は継続
水上
去年の今頃、雪が降り始めたころの山形へ出張した際、スズキのスイフトをレンタルしたんだが、なかなかよくできたクルマで感心しました。必要な装備はほぼそろってるし、なにしろ初めてでも運転がしやすい。ただ、このブログで紹介されてるネット上の書き込みのように、身体の大きな人が多い米国向けはちょっと苦しいでしょう。いつまでも米国市場じゃないだろう、ということ。それにしてもスズキのジムニーは歴史に残る名車だと思います。
離婚、うつ、死亡事件まで発生…DV妻に苦しむ男が急増中!?
ビジネスジャーナル
ここんところ女性が主犯の凶悪事件が多いような気がするんだが、特の女性だから犯罪者にならない、ということは当然ながらありません。ただ、DV(ドメスティックバイオレンス)となると加害者が男性で被害者が女性、という思い込みがあります。男性のほうが一般的には力が強いわけでどうしてもそう考える。しかし、この記事によれば、DV被害経験者は女性が43%、男性が42%(2010年度の横浜市の調査)という意外な結果になってるようです。これ、急増してるのかどうかちょっとわからないんだが、人間関係がうまく構築できない人は男女問わずいつの時代にも一定数います。
原因不明の「突発性難聴」が引き起こす超危険な症状5つ
美レンジャー
アーティストのスガシカオさんが、自分のことを突発性難聴と告白して衝撃がはしりました。スガさんといえば、この「NAVERまとめ」のように村上春樹氏も絶賛するような歌を歌うんだが、ちょっと完治は難しいとのことです。どうやら大友康平氏も同じ病らしい。ストレスが原因のようで誰にでもかかる可能性がある。この記事では症状と予防法を紹介。とにかく睡眠不足は大敵のようです。
自己肯定感
Sobu 研~「心配するな,ダメに決まってる」~
「頑張って」と励ますことについて書いています。今は頑張ってないように見える、というネガティブなとらえ方をすれば「自己否定」につながるんじゃないか、というわけ。確かに世の中「ダメダメ」言う人が多い。しかし「自己肯定」ってのは自分でやろうとするとなかなか難しい。背中を押されるなど、外部からの何らかの圧力が必要なんでしょう。
まるでスパムな楽天のメールを配信停止させる効果的かつ笑える手法
市況かぶ全力2階建
楽天で買い物をするとやたら来るお勧めMailに悩まされている人は多い。これを防ぐには、買い物するときにずず~っと下へスクロールして膨大な数のチェックボタンをいちいち手動で外さなきゃなりません。筆者はこれが嫌なんで、楽天でなるべくモノを買わないようにしています。あと、楽天のサイトはとにかく見づらい。デザインが最悪なところが多いです。
ヒトの脳は加熱調理で進化した?
看護師として気になったニュースや話題
大脳ってのはエネルギーを大量に消費します。そのエネルギーのために糖が必要となる。タンパク質も糖に変化するんだが、効率が良くありません。炭水化物から摂るのが手っ取り早いんだが、自然界にそんなに単純な炭水化物はないんで、それに慣れてない人体にはいろんな弊害がある。遺伝的なもの以外の糖尿病もほとんどこれでなります。生活習慣病です。このブログでは、まず加熱したタンパク質からエネルギーを摂り、それが人類の脳の大きさに寄与した、という記事を紹介。これは農耕以前の話です。
超電導ケーブルで家庭へ送電 NEDOが実証実験
(*゚∀゚)ゞカガクニュース隊
これ、NEDOと書いてるんだが、実質的には東電の技術です。NEDOは金を出してるだけだ。ケーブル自体は住友電工、冷却システムは前川製作所がやってる。この前川製作所ってところ、長野冬季五輪でアイススケートリンクなんかの冷却設備を担当。創業者の前川喜作氏が創設した和敬塾って男子学生寮には、村上春樹氏も早大時代の一時期、入ってたらしい。この和敬塾本館は旧細川侯爵邸で、近所にある永青文庫ももとは細川家のものです。で、そんなことと無関係な表題記事には、送電ロスを限りなくゼロに近づける技術が紹介されてます。これで直流送電が可能になるのかもしれません。
本の値段は誰がどうやって決めるべきなんだろう?—Who should determine the price of a book?
Books and the City
電子書籍がようやく日本でも広まりはじめて喜ばしいんだが、紙の本とそれほど値段は変わらず、ガッカリしてる人も多いでしょう。エロ本屋なんかには電子書籍のほうに高い値を付けた版元もある。強気ですね。ところで、揮発性のデータになった途端、どうも書物の価値が下がったように感じるのは筆者だけでしょうか。いろいろと言われてきたように、手にとってページをめくることのできるリアルな物体としての書物との違いはけっこう大きい。確かに同じ内容のテキストデータが自分のPCやタブレットに入ってるんだが、なにやら不安で「所有感」というものが希薄です。このブログでは、出版と本の値段付けについてAmazonが米国で何をしてきたか、を解説。日本の版元が価格設定権を握りしめて離さないのには、いったいどんな論理的な裏付けがあるのか、と問い詰めています。
メニュー撤去にマクドナルド原田社長反論 「提供時間を早める、お客様へのベネフィットのため」
痛いニュース(ノ∀`)
ネット住民にファンの多いファーストフードチェーンなんで、どうしたっていろいろ言われます。筆者なんか年に数度も食べないんでどうでもいい話ではある。ではあるんだが、レジカウンター上のメニュー「撤去」の帰趨については興味があります。いや、マジで苦しい言い訳だ。いったい誰得なのか、と。ベネフィットっていったい何なのか、と。そういうこと。遠からずレジ上のメニューは復活すると思います。
アゴラ編集部:石田 雅彦