先日の記事に対して、ある官僚(私は面識がないが、匿名ではない。政府や今の役職の立場を離れて、一個人としての意見をメールしたということ)から、反論を頂いた。
それに、再反論をするのに、この誌上を(ウェブ上を)お借りしようと思ったのだが、ある意味、すでにしている主張を繰り返すことになるので、この官僚の意見を、そのまま載せることにしたい。
簡潔に。
「日銀が長期金利に影響を与えることができる」と認めた時点で、
反リフレ派、反リフレ政策の議論はあまり意味を持たないのでは
ないでしょうか。
現在、金融政策の決定権限が日銀にあることが明白である以上、
「リフレ派」と批判されている対象が自民党総裁であれ、経済学
者の権威であれ、野党に過ぎない。
そして、野党の役割は合理的な批判であればよく、小幡さんが
認められたように、日銀は長期金利に影響を与えることのできる
立場である以上、それがいかに「難しい」ことであろうが、長期
金利を引き下げるよう試みるべきでしょう。
野党を批判するなど、何と意味のないことを!
オーバーナイトは完全にコントロールできる?「10日間オーバー
ナイトをゼロにする」とコミットすれば、10日間は大体完全に
コントロールできることでしょう。もちろん、「大体」のリスク
や信ぴょう性の問題になってくるわけですが。
そこは日銀の創造性の問題。何も安倍総裁が日銀総裁なわけでは
ないわけですから、安倍総裁を批判しても何の意味もない。
日銀が完璧な政策を採用していないことを批判すればいいだけで
す。今より長期の緩和をコミットする方法など何千何万通りとあ
ることでしょうに。
それとも、もっと引き締めろという主張ですか?
***
こちらは対池田さんですが
「日本に体力があるうちにハードランディングさせるのは
意味のある賭け」と認めているのだから、「リフレ派」の
主張とそう変わらないでしょう。
要は引き締め+デフレで先を見ても落ちはない、というか
ハードランディングのやりかたがどんどん厳しくなるから、
早めに不時着?するよう、シニョレージをある程度使って
あらゆるやり方でデフレを反転させるべきでしょう。
過去もっと所得環境がよかった時でも緊縮できなかったもの
を、今の通貨価値を維持していくために、もっと痛みの大き
い緊縮財政を採用するだろうというような見通し、空想的と
しか言いようない。
そうだとすれば、多少経済にマイナスだろうが何だろうが、
日銀のバランスシートを毀損して、通貨価値を引き下げるの
は既定路線であり、決まっている将来ならば、政策の意思で
コントロールできる形でシニョレージを使って財政再建した
方がいい。