海外起業のすすめ

小谷 まなぶ

日本の若者が、海外に目を向けることが少なくなった。ここ数年で、海外へ留学をする日本人留学生の数も減少しているということが話題になっている。海外に行くことが、人を鍛えることになるのかと言えば、確かにそれは言える。しかし、最近は、海外にいる日本人が事件に巻き込まれるケースも増えてきており、海外生活の危険性のリスクは、伴なう。


いずれにしろ、母国を離れて海外で何かするには、自己の安全に関して言えは、すべて自己責任で行なわなければならない。だから、サバイバルである。世界の秘境と言われる内陸奥地を旅している時、感じる感覚。「ここで俺が遭難しても、誰も助けにきてくれないだろうな。」 そう、「生きる。」という強い感覚を身につけるには、海外でしか経験できないことかもしれない。言葉も通じず、周りの人は、自分から見れば民族も国籍も違う人々、そんな中で、自分が生き抜くには、精一杯、何かを伝えようとするエネルギー以外方法はなく、何とか自分の思いが通じて、現地の人が動いてくれ、生きて行くための道筋がみえてくる。そんな感覚は、海外にいることで体感できるだろう。

海外で何かを始めるということは、その人の人間力を試されるのである。すべての神経を敏感に作動させ、五感を越える第六感といわれる感覚まで使って、何かをやり遂げようとするエネルギーが、海外で生きて行く上で一番、楽しい部分である。

日本の教育では、一般的な教養は教えてくれるが、人の中でどうやったら、生きていけるかという生き抜く力について教えてもらえない。餌の取り方を教えてもらえず、突然、社会のなかに入って、獲物を獲得して来い。獲物が取れないものは、それは、社会的弱者として扱われ、仕事ができない人という評価になる。

人は、どうしたら動くのか、そんな感覚を、全く親類も知人もいない土地では、鍛えることができる。海外帰りの人が、ある意味、鋭い感覚になっているのは、常にリスクの中で生きているから、感覚が鋭くなっているのではないだろうか。確かに、全ての人がそうだとは、思わないが、少なくても、日本国内でいるよりも鋭敏になれる環境は、海外にある。

日中関係が悪化している中で、日本企業の中国戦略というものは、中国国内の内需を狙ったビジネスモデルになってきている。日本企業の商品を如何に、中国国内で販売するかという視点で、中国国内にスーパー、デパート、飲食店、量販店などの出店計画が相当ある。アゴラでも話題になっている衣料品販売の量販店である「ユニクロ」は、中国国内で180店舗を越える販売店を出店しているという話である。海岸都市の大都市に限らず、内陸の2級、3級都市といわれる地方都市まで出店を進めている。私も仕事柄、中国の内陸都市に行くことがあるが、日本の事務機メーカー、自動車メーカー、家電メーカーの商品が、ここには、日本人がいないだろう思える内陸の中小都市まで販売されている。聞けば、大都市は、直販店の出店をしているが、中国の内陸の中小都市などは、中国の国内商社などで代理販売しているケースが多い。

しかし、日本企業の商品は、大手に限らず、人のいるところであるなら、どこでも販売していくという精神で市場開拓する動きがある。私自身も、上海のど真ん中で、環境が整っている中で生きているので、もうハングリー精神がないのかもしれないが、たくましく、こんなところまで、日本の製品が売られているのかということを、目の当たりにすると、開拓精神があれば、世界のどこでも商売ができることに気付く。海外に行って、ビジネスをすることが、その人のスキルを高め、そして、将来の自分を作り上げる大きな財産になると思う。

■小谷まなぶの中国ビジネス奮闘記(公式ブログ)