4月に入り、中堅中小企業ですとそろそろ内定出しの声も聞かれる時期だと思います。そこで今回は人事責任者、人事担当者の方に向けて「意味のある内定者フォロー」をテーマに進めていきたいと思います。
私は会社を経営する傍ら、これまで採用の”現場”を見て、様々なアドバイスを行ってきました。アドバイスだけではなく、自らも採用実務者として多くの企業を支えてきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。
本ブログでは、これまでの経験や、そこで得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。
1.内定者フォローの種類
皆さんは内定者フォローというとどのようなイメージをされますか? 私はこれまでの経験から内定者フォローには以下、4つのやるべきことがあるかと思います。
- 理想と現実のギャップの解消
- 社会人への動機付け
- 即戦力化
- 内定辞退防止
上記、時期を見ながら、内定学生の志向に合わせて、バランスよく実施していくことがポイントです。
「1.理想と現実のギャップの解消」「2.社会人への動機付け」「3.即戦力化」については外部研修等への参加や社内研修を実施している企業も多いですが、最近の一つの流れとして、内定者の時期にアルバイトの扱い等で実際の仕事を体験させる企業も多くなってきています。
入社前に仕事体験をさせるとかえって悪影響になるのではないか? との声も聞きますが、私の経験上、そういう学生を入社させても結局は退職してしまうことが多いので、それはそれでやむなし、と考えるべきだと思います。あと、学生にやらせる仕事が無い、との声も聞きますが、MTGへの出席、朝礼への出席等、考えればいろいろあると思います。我々社会人にとって当たり前すぎる上記のようなことでも学生にとっては新鮮なことばかりなのです。
最後に学生の世話役の社員の方の人選には気を配るべきでしょう。概して優秀な社員の方は忙しい為、学生の世話などやっていられない、ということがあると思いますが、そういう場合にはトップや役員自らが学生の世話役を買って出るぐらいの意識が必要だと思います。
2.内定者フォローの一つに内定辞退防止がある
1.で内定者フォローのポイントについて述べてきましたが、内定者フォローの一環として内定辞退防止があります。内定辞退防止にはさらに4つのポイントがあります。
- 同期意識の醸成
- 会社理解の促進
- 入社前教育
- その他(感動系も含む)
以下、それぞれ詳細を述べていきたいと思います。
1.同期意識の醸成
・内定者間&人事等とのSNS・ブログ
・人事からのメルマガ等、メールの定期配信
2.会社理解の促進
・社内報・社史の定期送付
・会社見学&内定者懇親会
(若手社員(人選は慎重に)との会話、昼ご飯or夜ご飯もあればベター)
・営業同行、会議同席
・忘年会・新年会等の会社イベントの参加
・インターン(アルバイト)
・内定者報の作成・送付
3.入社前教育
・eラーニング
・定期レポート提出(課題図書、テキスト)
・資格取得支援
・セミナー・講演会への参加
・次年度の採用計画立案・インターンシップ運営体験
・集合研修
4.その他(感動系も含む)
・親御さん向け、先生向け挨拶状の送付
(ケースバイケース)
・社員による寄せ書きの送付
・クリスマスカード・年賀状の送付
・リクルーターとの定期接触
・社長や役員クラスによる個別面談
・内定出し済学生保護者向け会社説明会
・ボランティアへの参加
・社長or人事担当による家庭訪問
もちろん個々のケースによって状況は異なりますので、内定学生の心理状態に応じて、4つの比重をそれぞれ変えながら進めていくことが望ましいです。ただ、実際に現場に立たれている方からしますとわかってはいるものの、個別に対応することはなかなか難しいとお感じになっていらっしゃると思いますが、そうだとすれば、せめて上記、4つのポイントを押さえることによって「モレなく、ヌケなく、ダブリなく」内定辞退防止活動を実施することが可能になります。是非、参考になさってみてください。
中尾 英明
クレスコ株式会社 代表取締役