昨年末に出版した「内藤忍の資産設計塾【第3版】」では、金融資産1000万円までの資産配分例を掲載していますが、それを超えたらどのように資産を運用したら良いのでしょうか?
金融資産がまだあまり大きくなく、積立などでこれから殖やしていきたいという人は、本で詳細に解説したような、投資信託を使った資産の分散、時間の分散による運用を行っていくのが王道です。実際、リーマンショック以前から資産運用を続けている人で、結果が出ているのはこのような運用を地道に続けてきた人ばかり。レバレッジをかけた取引や短期の売買で投資をしてきた人は、才能や運があった一部の人を除いてみんないなくなってしまいました。
しかし、このような方法で金融資産が1000万円を超えてきたら、次のステップとして別の投資対象を検討しても良いと思います。
金融資産が大きくなってくると、リスク許容度が上がります。また、年齢が上がると共に、金融資産を値上がり益を期待するキャピタルゲイン型から、安定した定期的収入を目指すインカムゲイン型にシフトしていくことが大切です。
まとまった金融資産を持つ人は、1000万円をコア資産として、今まで通りの長期分散投資で運用を行い、残りの資産はサテライト資産として、インカム収入を得られる資産にも投資しても良いと思うのです。
そのサテライト投資の筆頭候補になるのが海外不動産です。例えば、金融資産が3000万円の人なら、1000万円を分散投資に充てて、残りの2000万円は海外不動産で主にインカムゲインを狙う。
今月視察に行くテキサスでは、グロスで10%以上ネットでも8%程度のインカムが期待できる物件があります。8%の利回りになれば、2000万円に対して、年間で160万円の収入になります。為替リスクや空室リスクはありますが、月に10万円以上の収入が期待できます。
3000万円全部を分散投資で株式や債券に投資する投資信託などに入れておくよりも、資産の成長と安定したインカムがバランスした魅力的な方法に思えます。
資産が1000万円以下なのに、それをいきなり海外に持っていくのはリスクを考えればやめるべきだと思いますが、資産金額が大きくなっていけば、まとまった金額で別の投資をして、分散投資とは別に管理していく。
全体の為替リスクをどうするかや、REITの組み入れはどうするのかといったテクニカルな問題はありますが、実際に自分自身の資産運用もこの方法でやっていきます。海外不動産も分散が重要です。投資国や投資エリアを分散させていかなければなりません。
資産運用には正解はありませんが、新しい情報を知るために、自ら積極的に動き、セミナー、海外資産運用マスター講座、パーソナル・コンサルティング、書籍を通じて、皆様にフィードバックしていきたいと思います。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年5月6日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。