【それは宗教です】
それは、ある政治バラエティ番組での一コマだった。
林家こぶ平(当時)の婆様か誰かに、当時野党の民主党原口一博議員が「戦後日本が平和だったのは何故ですか?」と質問した時に、こぶ平の婆様が「憲法9条のお陰です」と即答し、それに対し原口議員が即座に「それは宗教です!」とたしなめると、こぶ平の婆様がポカンとして口を開けて呆けていました。
「憲法9条真理教」というのが、この戦後日本に確実に存在する。
「戦後日本が平和だったのは憲法9条のお陰で、これを唱え続ければ日本の平和は永久的に維持される」という脳みそお花畑極まりない、おめでたい思想、もとい宗教なのです。
この信者の多くは先の大東亜戦争経験者や、その直後の団塊世代等によって構成されており、現在それなりの社会的地位を築いているものも少なくない。
「憲法9条真理教」信者は「自衛隊は違憲で、存在そのものが許されないものであり、在日米軍もまた同じである」という主張で、度々「この憲法9条の精神を世界中に広めよう」などと喚き散らし、挙げ句の果てには「憲法9条を世界遺産にしよう!」などと血迷ったことを言い出すものだから、今週のお薬は多めに処方しておきますね、と言いたくなる気持ちである。
だがこの信者に共通するのは、言葉とは裏腹に日本の”今そこにある危機”である、軍拡一直線の中国や先軍政治の北朝鮮に、その素晴らしい「憲法9条」を輸出したり、広めたりした、ということをまるで耳にしたことがない。
日本の自衛隊や在日米軍を否定して、中国や北朝鮮の軍隊やその挑発的行為や危機や韓国による竹島実効支配には知らんぷりという姿勢は、伝説のネットキャラ無防備都市宣言を推奨する”無防備マン”にも通じるが、日本国内の所謂サヨクやプロ市民にも通じるものがある。
先ずハッキリと論じたいのは、日本が戦後60年以上平和だったのは自衛隊と在日米軍の存在と日米安保のお陰で、間違っても憲法9条のお陰などではない。
産経新聞も5月8日付の社説で、朝日・毎日・東京新聞三紙を憲法9条を高く評価してるとしながら、「国際政治の現実は、そうした空想的平和主義が通用するような甘い世界ではない。日本が(戦争に)巻き込まれなかったのは、戦争放棄の偽善的条項ではなく、日米安全保障条約に基づく同盟の軍事力ゆえに他ならない」と斬り捨てた。
【スタジオジブリも憲法9条真理教だった】
だが、未だに「憲法9条を世界的にアピールするべきだ」などと世迷い事をのたまう人物がいる。
何処のプロ市民かと思いきや、日本を代表するアニメ制作会社、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーではないか。
鈴木氏は、9条推進派の東京新聞の5月9日付のインタビューにて、今年7月公開の新作映画『風立ちぬ』映画化の経緯に触れながら、現在安倍内閣が進めている、憲法96条改正についてチクリと釘を差しつつ、なんと安倍総理を”平和ボケ”と批判する。
「憲法9条真理教」信者の特徴として、9条を「平和憲法」という造語にして崇める傾向があるが、鈴木氏も例に漏れず9条を「平和憲法」と呼び、他の信者同様に、9条なくして今日の平和はありえないという論調である。
尚も鈴木氏は「日本には美しい森林もある。自分の国は自分で守るという考え方もあるでしょうが、平和憲法を持ち、森と水がきれいな国をね、みんな侵せますか。そこへ侵略する国があったら、世界の非難を受ける時代でしょ。現代って、一国の暴走に世論がブレーキをかける時代なんです」と夢いっぱい、お花畑全開の発言をする。
だが、現実に中国に尖閣領土を軍事力で脅かされるどころか、最近では「沖縄中国領土論」まで飛び出し、”美しい森林と水”も中国産公害汚染で汚され、韓国には竹島を武力で実効支配され続け、竹島だけでなく対馬まで韓国領土と主張され、北朝鮮には未だに多くの日本人が拉致され救出もままならない状況が続いている。
そして、中国や北朝鮮の核ミサイルは今でも日本に射程を定めている。
これだけでも安倍総理と鈴木氏のどちらが平和ボケか、言うだけ野暮だろう。
鈴木氏は尚も9条を「すごい理想主義でしょ」と持ち上げるが、理想はあくまでも理想でしかなく、「平和憲法」などは現実から目を逸らした脳みそお花畑な人々の幻想でしかなく、産経新聞が指摘するように、やはり”空想的社会主義”と呼ぶのが相応しいだろう。
今、憲法96条改正否定派の論者が、必死になってメディアで「やがて憲法9条も改正して戦争を美化するのではないか」と相変わらずの”軍靴の足音”妄言を繰り返しているが、96条改正の先に9条改正があったとしても、それは決して戦争美化などではなく、有事の際の現行憲法の足かせを外し、適切な有事法制や集団的自衛権の制定が急務だからである。
メディアは何故か報じないが、先日11日行われた、民主党公開大反省会という名の茶番ですら、枝野幸男元官房長官が集団的自衛権の必要性に前向きなコメントをしていた(CS日テレNEWS24にて)。
【現実から目をそらすな】
9条真理教信者が「永世中立国で平和国家スイスは、軍備を捨てている!」と熱弁するが、スイスはいざとなれば”国民皆兵制”を敷いているわけで、決して軍備を捨ててるわけではない。
繰り返しになるが「9条真理教信者」の皆さんは、そんな素晴らしい「平和憲法」があるのであれば、是非ともその「平和憲法」とやらを中国や北朝鮮だけでなく、中東のイスラエルやパレスチナや、内戦に揺れるシリアに輸出して、根付かせていただきたいものだ。
それが出来たら、私も憲法9条を「平和憲法」として認めようではないか。
引用記事
【産経新聞】
憲法改正 産経「9条は現実に通用せず」
【東京新聞】
9条 世界にアピールを スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫さん
多田 純也
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