とある離島の事情 ~悪銭身に付かず、身を滅ぼすの巻~ --- うさみ のりや

アゴラ

本日は民主党の元議員の方ととある中堅企業の社長と某外資コンサルを辞めてタイの農村活性化に取りくむ酔狂人とある離島振興の相談がてら会食。離島振興なんて金にならないんだけど、なんとなく今は浪人だし広く世の中を見ることが大事かな~と思い顔を出してみることにした。


事情は離島振興金で港湾の整備してコンクリでガチガチで固めたら、海藻が枯れて磯焼けして漁場が荒れてしまい魚が取れなくなってしまい自滅状態で漁獲高が細ってしまったというところ。そんな訳で今は海藻を養殖して漁場を再生させる為の取り組みを進めているそうだ。なんとも間抜けだけれど、こんな話は日本中そこらかしこにある。結果離島には産業がなくなってもはや人が暮らしていけなくなっている。7万人の島から年間数千人単位で人が去っていく。このままでは10年後には消滅しかねない。

そこで皆が一致したのは使えきれない金を渡すと、社会の生態系が崩れて、健全な発展経路が失われてしまうということ。急にまぶしい世界を見ると目がくらんで判断がおかしくなってしまう。ちなみに酔狂人曰く、タイで自然と共存するど田舎に住んでいた人に都会を見せたらその後、盗みが発生したそうだ。その村ではこれまでそんなことは無かったらしい。欲望って怖いね。

まぁそんなわけで離島に「振興」という名の下で巨額の公共事業のお金が来たから建設業が発展して、その建設の供給力を満たす形で非合理な事業が展開され、結果漁業が細って危機に陥ったという構図。本当に良くある話。

漸く一部の島民は目が覚めて、原点の漁業を再生することに必死になってきた。家賃もエンゲル係数も低いので年収200万もあれば十分暮らしていける。戦略的に皆が協力して漁場の整備からとりくめば十分可能な水準だが、大部分の人は大局を見ずに、今日明日の金に飛びついて海洋資源を荒らしてしまうからジリ貧になってそれが実現できない。漁協は閉ざされた文化で人の意見を聞かない。結局田舎の古い体質の漁協を動かすことが出来るのは自民党の衆議院議員だけ。それ意外の人が言っても動かない。

正しい志と戦略を持つ人と議員の政治力が結びつけばまだ地元の漁業の再生はなるかもしれないとのこと。やっぱり田舎では議員の力は圧倒的。そんな話をしました。

ではでは今日はこんなところで。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~」2013年5月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~をご覧ください。