落ち目にはなりたくないなぁ。つい1月前までは、肩で風切って街を歩いていた維新が、賞味期限が切れたと見えて、「半値でも買い手がつかん」ような状態になっている。こうなると、やることなすこと「ト(トンデモの略:リンク参照)」になってしまい、見ている方が痛くてたまらん。
慰安婦問題でボコられて一週間も経たんうちに、性懲りもなく米軍をいじりに行く。オスプレイの訓練の一部を大阪の八尾空港で受け入れると、菅義偉官房長官に言いに行くんやと。全く、何を考えておるのやら。
オスプレイというのは本質的にはヘリコプターや。旅客機が地球の裏まで飛べるのに、航続距離は無給油ならせいぜい1200km、だいたい大阪~那覇の直線距離や。沖縄配備の機体を大阪まで運ぶ場合、ガス欠のリスクを冒すのが嫌なら、どこか(岩国あたりか)に着陸して給油するしかない。帰りも同様。誰がこんな手間なことをする。それとも、梱包して宅急便ででも運ぶ気か。
八尾空港周辺が絶好の訓練ポイントというなら、まだしもわかるが、どちらかと言えば、地球上で最も訓練に向かない場所のひとつやろう。地図を見てみ。
滑走路は二本あるが向きは基本的に東西や。東に離陸すれば4kmちょっとで生駒山脈にぶち当たる。西に10kmも進めば大阪の人口密集地の真上に出る。これだけでも窮屈な話や。
大阪湾を含む大阪平野というのはせいぜい直径100kmの平地で、その中に関空・伊丹・神戸・八尾と、四つも空港がある。ヘリポートの数は無数と言って良い。中部国際空港セントレアや徳島空港、南紀白浜空港なんかも決して遠くはない。
こんなところで、どうやって軍事訓練をするんかいな。太平洋上に出るだけでも、航空管制官は一苦労ではすまんやろ。万一、民間機相手に事故でもおこそうものなら、日米安保体制の終わりの始まりになりかねんがな。
「訓練はともかく有事には民間機は全て止まるのやから、八尾のオスプレイ基地も機能するやろう」というというのは、もっと下らない妄想や。作戦半径(往復で)600kmの八尾のオスプレイが、顔を出せるのは朝鮮半島の一部までや。本気で配備したら、激怒するのはシナでも北朝鮮でもなく韓国や。竹島奪還作戦以外の用途は考えられへんからな。
断っとくがワシは軍事の専門家ではない。そっち方面のオタクでもない。ただの素人がちょっと調べたらわかるような事を、国会議員を擁する維新の政治家集団が知らんとは思えへん。そやから、こんな下らない提案は、改憲なんかの話と同様に「どうせ実現しない」という安心感が言わせているということになる。売名行為のつもりでっか。
こういうのは、沖縄に対してはもちろん、米軍関係者にも失礼極まりない対応をしていることになる。維新のあざとい政治ショーのダシに使われるなんて、たまったもんやないで。大阪の民度を疑われるのも避けがたいことやろう。
維新もそろそろ「みっともない」のレベルから「痛い」のレベルになりつつあるように思う。売れないくなったお笑い芸人が、裸で走り回って逮捕されるような話や。有権者の多くが引いているのが見えんのかなぁ。
これを書いているのは、6月4日の未明や。今からでも、石原爺さんあたりに諫めてもらって、米軍相手の「特攻作戦」は中止してはもらえんかのう。
ヨハネス 山城
通りがかりのサイエンティスト