東京都心マンションが「瞬間蒸発」している5つの要因 --- 内藤 忍

アゴラ

毎週読んでいる日経ビジネスの最新号(2013.6.10.号)の特集は、日本の不動産特集です。アベノミクスで国内の不動産マーケットは急変している。そんな中、これからの戦略についてヒントがもらえる内容になっています。


日本国内の不動産、特に東京都心のマンションが「瞬間蒸発」しているのには、5つの因子があると指摘しています。

  1. アベノミクスによる資産インフレ期待
  2. 2020年までの世帯数増加
  3. 株高による資産効果
  4. 金利上昇懸念による駆け込み
  5. 消費税増税前の駆け込み

東京だけではなく、沖縄でも不動産の売れ行きが好調になっているという記事も掲載されています。米軍関連施設が返還され、再開発期待があるようです。買い手は東京の富裕層ということですが、何だか少しバブルの匂いがしてきました。

しかし、東京の不動産価格の動きにも地域差があるようです。

過去の資産インフレ期のデータを使って予想した駅別マンション値上がり、値下がりランキングというのも掲載されています。駅でランキングするのは少し乱暴ですが、傾向を知ることができます。

ベスト10
1.広尾
2.品川
3.恵比寿
4.渋谷
5.中目黒
6.自由が丘
7.目黒
8.目白
9.三軒茶屋
10.神楽坂

ワースト10
1.春日部
2.南柏
3.谷塚
4.相模原
5.宮原
6.本厚木
7.草加
8.川越
9.大和
10.平塚

記事には20位までのランキングが掲載されていますが、全体的に「西高東低」の傾向が予測されています。

東京の不動産は、賃貸利回りでみると、4%~6%に収れんしているそうですが、これから不動産を購入する場合、ポイントは賃貸利回りより、値上がりが見込めるかどうかになってきます。

海外投資家や年金資金が日本の不動産マーケットに入ってくるとすれば、知名度の高い、ブランド力のあるエリアを狙ってくる可能性が高いと記事は指摘しています。

そもそも、日本の不動産の長期的な投資魅力について、私は懐疑的ですが、これから数年は資産価格の上昇が日本の一部のエリアで見られるのかもしれません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年6月10日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。