ハッタリを期待され続ける中央銀行のジレンマ

アゴラ編集部


昨日、日銀で金融政策決定会合が開かれました。追加の金融緩和が行われるかどうか、市場が注目していたわけなんだが、政策据え置き、という結果。今年2013年の1-3月期のGDP速報とメディア報道を紹介している「官庁エコノミストのブログ」の予想通り、追加の金融緩和策は出ませんでした。それを受けて米国の株式市場も急落、という話もあり、今日の東京市場も続落、今は少し戻すも円だって高くなっている。しかし、どこもかしこも政策に振り回され過ぎ、と思います。政府や中央銀行の発言で一喜一憂し、その影響は非常に大きい。


金融緩和策については「Market Hack」でいろいろ取り沙汰されている「LTRO(Long Term Refinancing Operation)」を解説しています。これによれば、ようするに「ハッタリ」ということ。具体的には金融機関間の信用不安を担保するための施策というわけで、黒田日銀総裁はこれについて、戦力の逐次投入だから嫌がった、とされています。しかし、LTROが期待されている、ということは信用不安が起きているわけで、これはこれで怖い。

ネット上の声を紹介している表題ブログでは、予想がつかない市場動向と現金化できない金融資産の硬直化について不安が広がっている様子がうかがえます。今や世界中で金融緩和政策が行われているわけで、金がやたらに余ってる。しかし、その膨大な金がコントロールできないような挙動を起こし始めたらもう大変です。

市況かぶ全力2階建
高まるボラティリティ(変動率)と低下するリクイディティ(流動性)、世界的な金融緩和の負の部分が日本でも火を吹き始めた


modcrew™(モディクルー)、日本で7月からiPhone防水サービスを開始。
A!@attrip
台風が近づいてますね。梅雨の季節の台風は大雨を降らせるので要注意です。突然、雨に降られてスマホがダメになっちゃった、というのはよく聞く話。このブログで紹介されているサービスはスゲえな、おい。「modcrew™」ってところの技術らしい。端末全体をおおっちゃうんじゃなく、内部の回路をナノ分子で防水にするんだそうです。ガワがそのままでいい、ってのはけっこう良さげ。

Hitler’s alpine retreat getting makeover
Star-Telegram
「鷲の巣」と呼ばれたヒトラーの山荘がドイツ・バイエルンにあります。ザルツブルクとヒトラーの縁は深い。著書『我が闘争』の印税で、オーバーザルツベルクのベルクホーフという別荘を買い、この別荘の上にナチの高官マルティン・ボルマンがケールシュタインハウス(Kehlsteinhaus)、別名「鷲の巣」を建ててヒトラーに贈ったというわけ。ドイツ南端の景勝地、アルプス山中にあり、現在でも観光地として有名です。この記事では、バイエルン政府がこの山荘を約22億円をかけて改修し、歴史博物館にする計画を進めている、と書いています。

科学者は自らの学説に殉じるべきか
HONZ
学説というのは「信念」じゃないわけで、科学的な推論や演繹から導き出される「真理」のようなものなわけです。これは自然科学の分野のみならず、経済学や社会学などにも通じるものなのかもしれません。アベノミクスについては、いわゆるリフレ派とアンチに分かれて喧々囂々侃々諤々の論争をやっとるんだが、その結果は2年もたてばわかる。もし間違っていたら日銀副総裁を辞めれば「殉じた」ことになるそうで、ガリレオ・ガリレイが嘘か本当か言ったとされるように「それでもインフレが正しい」とつぶやいて去って行くんでしょうか。このブログでは、ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが書いた『ガリレオの生涯』と「The New Yorker」の記事を紹介。ガリレオとブレヒト本人の人生を重ね合わせつつ、共産主義に「殉じた」ブレヒトの気持ちを想像しています。

AKBでしくじって九州に行った人が天下を取り「足利尊氏だ!」といわれているそうです
見えない道場本舗
歴史の中には、一度は敗北したり獄につながれたり流罪になったりしても、虎視眈々と捲土重来の刻を待ちながら力を養い、叛旗を翻して立ち上がり復讐を果たす、という史実はよくあります。晋の文公にしても呉越の戦いにしても三国志にしても薔薇戦争のエドワード4世にしても源平合戦にしてもキューバ革命にしてもインチョン上陸にしても1997年ジョホールバルにしても甲子園の横浜VS明徳義塾にしても、いろんなドラマがありますな。最後の二つはアレだけど。しかし「金権選挙」と言われてるAKBのセンター争いも、こうした視点で眺めればなんとか楽しめるという好例です。


アゴラ編集部:石田 雅彦